頻尿・夜間頻尿
頻尿とは「起きてから寝るまでの尿回数が8回を超えるもの」とされています。
また、夜間頻尿は「寝てから朝起きるまでの間に1回以上排尿で覚醒するもの」とされています。
原因は大きく分けて多尿(体重1㎏辺り40ml以上の場合)、膀胱の容量減少(過活動膀胱や前立腺肥大症など)、尿路感染症、腫瘍、心因性、加齢による筋力低下などがあります。
・過活動膀胱:膀胱の尿貯留が不十分にもかかわらず、勝手に収縮してしまう状態。急にトイレに行きたくなって我慢できない(尿意切迫感)など。
脳卒中やパーキンソン病などの脳や脊髄の疾患が原因となることもあります。
・前立腺肥大症:前立腺が加齢や炎症の慢性化に伴い大きくなっている状態。
肥大した前立腺が膀胱を圧迫することで残尿感を生じさせている。
また排尿に時間がかかる、尿の勢いが減る(尿勢低下)なども主な症状の一つです。
・尿路感染症:細菌などによる膀胱炎や前立腺炎に伴って膀胱の知覚神経が花瓶となっている状態。
尿貯留時の下腹部痛が特徴的な症状になります。
・腫瘍:膀胱内に腫瘍ができていて膀胱内容量を減少させている状態。
血尿を伴うことが多いです。
・心因性:排尿のことを気にしているため、排尿が頻回になってしまう状態。
・加齢による筋力低下:骨盤底筋という筋肉の力が衰えてしまい、腹部に力を入れたりくしゃみなど尿が漏れてしまう状態(腹圧性尿失禁)。
骨盤底筋群体操という筋力トレーニングが有効ですが、効果が出るまでに時間がかかります。
それぞれの診断には超音波検査や検尿、膀胱の内視鏡など様々な方法があります。
ご自身でもできるものとして下記の排尿日誌を3日間ほど作成することで、診察時の確認がスムーズになることもありますので、ノートなどに記載しておくことをお勧めします。
排尿時間と尿量、飲水量を記載して診察時に持参してください。
夜間の排尿状況も確認したいので、起きてから次の日の朝起きるまでの24時間の記録を1枚の用紙に記載して頂くと分かりやすいです。