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「道」は万物の中に存在し、万物の運動・変化に体現されるが「道」そのものは人間の感覚でとらえることができない

[2024.12.28]

篤志により自身のご遺体を医学の発展に捧げてくださった気持ちに対する敬意のかけらもない行為(ご遺体をバックにピースしながら写真撮影し、その写真を SNS にアップ)で、ある美容外科医が炎上しております。

医学・医道を追求するのが本分であるべき人間がこのような振る舞いをすることは言語道断であり、同じ医師とは思われたくないような嫌悪を感じてしまいました。医師に限らず医療に関わる人間は、生命に対して謙虚であってもありすぎることはないと思います。他山の石とし、自分は日々コツコツと勉強していきたいと思います。

先ほど「医道」という言葉を用いましたが、この「道」という字。柔道・空手道・躰道はもちろん、武士道・騎士道など、様々な「高みを目指して歩んでいく」分野で用いられます。

自分が知る限り、「道」について最初に説いたのは老子で、老子の説く「道(タオ)」とは、儒家の説く「人の道」とは意味が異なり、儒家の「道」が現実的な「生き方」を意味しているのに対して、老子の「道」は万物を生み出す原理のことを指しています。老子によると、「道」は完全な存在であり、万物もまた完全であるとされます。「道」が完全なので、私たちも飾ることなく「無為自然(むいしぜん)」に生きることが理想とされます。

なかなかこの発達した資本主義社会で実践するのは難しい理想ですが、常にこういった気持ちをアタマの片隅においておきつつ日々の診療を行いたいと思います。

ところで母校である東京医科歯科大学(現在は東京科学大学に名称変更しましたが)剣道部の部旗には「道」と記されています。少しずつこの道を歩んでいきたい院長でした。

写真は東京医科歯科大学剣道部ホームページより。

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