『鉄人 28 号』『マジンガー Z』『機動戦士ガンダム』までは詳しいのですが『新世紀エヴァンゲリオン』を観たことがないのでこの名作を年末にでも味わってみたいです。
最近よく視聴して勉強させていただいている YouTube チャンネルに「謎解き統計学 | サトマイ」があります。短い動画でいろいろな場面での "あるある" をわかりやすく、少し知的に解説してくれる、単純作業をしているときなどのちょっとした時間に視聴する "ファスト教養" として本当に面白いコンテンツです。研究に関する文献の出し方が少し恣意的な感じもしますが、これは短い時間でまとめるために仕方ないことでしょう。
この統計のお姉さん、サトマイさんの、「【話し方】ちょっと何言ってるか分からな過ぎて傾聴どころじゃない(https://www.youtube.com/watch?v=8zPfCHFHkzQ)」というタイトルの動画を最近視聴しました。そこでは(特に仕事中などのビジネスの場で)、ひとにキチンとなにかを伝えるために大切なことを教えてくれています。
その動画では、まず「ちょっと何言ってるかわからないひと」の伝え方を
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いきなり!固有名詞
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日記帳
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強すぎる AT フィールド
にわけています。このなかで 1. はさておき、2. は「日記みたいにすべてのことを説明してしまうタイプ」とされています。つまり、事実を時系列で並べてしまい、なかなか結論や要点が見えない話し方です。たとえば同僚にケースを説明するとき、「昨日の朝、患者さんが熱っぽいと言ってて、そのあと昼にはちょっと下がったんですけど、夜になったらまた 38 ℃ 台に上がって今日の朝は 36.8 ℃で、でも血圧はまあまあで…」と延々続くような報告。聞き手は心の中で「で、結局どうしたいの? 何が問題なの?」と何度もつぶやいてしまう。これはやっている本人は真面目にすべての情報をもれなく伝えたい、と思っていることが多いので、「そんな伝え方じゃわからないよ!」とか言ってはおそらくダメです。
対応策としては「報告の型」を決めてその「型」どおりに話してもらうとよいと思います。よく院長が使うフレームワークは "PREP" という伝え方。
以下 4 つのステップで構成され、その頭文字です。
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Point(結論)最初に結論を伝える。
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Reason(理由)その結論に至った理由を説明する。
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Example(具体例)理由を裏付ける具体的な事実や事例を挙げる。
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Point(結論の再提示)最後にもう一度結論を繰り返して、相手に印象づける。
という感じです。例えば・・・
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Point 「来月から新しい予約システムを導入すべきだと考えます。」
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Reason 「現在のシステムは操作が複雑で、患者さんやスタッフからの不満が増えているからです。」
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Example 「例えば、先週だけでも予約変更に関する問い合わせが 20 件以上ありました。導入予定のシステムではスマホから簡単に操作でき、問い合わせ件数を大幅に減らせます。」
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Point 「したがって、患者さんの利便性と業務効率化のために、なるべく早くの導入を進めるべきだと思います」
あまりいい例文が思い浮かばなかったのでちょっと "上手くない" 例えになってしまいましたが、院長も日々スタッフになるべく簡潔に物事を伝えたいと思っております。
つぎに 3. の強すぎる AT フィールド。これはエヴァンゲリオンを観たことがない院長にははじめ何のことかサッパリだったのですが、ググってみると『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する架空のバリアで、正式名称は "Absolute Terror Field" だそうです。これは物理的なバリアとして、通常兵器から身を守る「絶対防御」の力を持つほか、全ての人間が持つ「心の壁」や「境界」を象徴するもので、人間が肉体と精神を保つために他者を拒絶する役割も果たす、ということだそうです。すなわち「必要以上に自分を守ろうとして、相手との距離をつくってしまう態度」 のことです。
職場ですと、ミスを指摘されると「でも、それは私のせいじゃないので」と即ブロックしたり、雑談やちょっとした冗談を言いながら皆が談笑しているのにそれを完全スルーして、孤高な感じを強く出してくる、みたいなひとがこの「強すぎる AT フィールド」のひと、にあたります。われわれ医療の世界は責任が重く、批判やクレームを浴びることもしばしば。だからある程度の防御壁を作るのは自然な反応なんですが、それが行き過ぎると「このひとは信頼できない」と思われてしまいます。院長も勤務医時代はだいぶクールを装っていた若い頃がありますので今更ながら反省しております。
こういった方への対応索は
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まず「共感ワード」を入れる:「確かにそれは大変でしたね」「ご指摘ありがとうございます」
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全部を受け止めなくてもいい、でも「聞いてますよ」というサインは出す
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雑談のときは自分の弱みや趣味を少し出す(例:「阪神ファンなんですよ〜」「最近はジンジャーエールにハマってて」とか)
でしょうか。強固な AT フィールドは短期的には問題ありませんが、長期的には孤立化していってしまいます。院長も組織のトップとしての態度を無理に取らないといけない、と虚勢を張ってしまうことがあるので、心を開いて小さな隙を見せることで、良好な信頼関係を築いていきたい。
さあ、そして最後に 1. の "いきなり!固有名詞" ですが、これは結構患者さんへの説明で医師がやってしまいがちなところです。これについては明日詳しくその内容について紹介してまいります。
