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あまりマスコミに報道されることはないものの、今年は日本で開かれた公衆衛生の観点で国際的に重要なミーティングとは。

[2025.12.12]
COVID-19 がはじめに報道されてからまもなく 6 年が経とうとしています。パンデミックとなった 2020 年以来、しばらく感染状況が落ち着いていたインフルエンザですが、2022/23 シーズン以降は再び流行して COVID-19 出現前と同様、またはそれ以上の広がりをみせています。しかも 9 月には流行し始め、11-12 月でピークを迎えるなどかなり早い時期に。特に今年、2025/26 シーズンは最近 5 年で最も流行の立ち上がりが早く、11 月末時点で、既に全国的に流行が加速してみられました。COVID-19 との同時流行、という印象も 12 月はじめに当院でみられました(ようやく最近少しピークアウトしてきました)。発熱外来として当院を利用しようと思って電話をかけたのに「すみません、どうしても予約が入らず・・・」とお断りさせていただいたことが数件あったと思いますが、断らせていただいた患者さん、申し訳ありませんでした。

・・・とお詫びをしないといけないくらい、なかなか一介の臨床医に「インフルやコロナの流行を正確に予測する」なんてことは至難の業です。では「専門家は?感染症学やウイルス学の専門家なら流行するウイルスを予想できるのでは?」と思いますよね。毎年広く行われるインフルエンザワクチンの "株えらび" は国際的なプロセスによって行われています。主たる役割を果たすのは WHO(世界保健機関)で、各国の国立感染症センターのような組織や研究所に集積されたインフルエンザに関するデータを包括して「今後どのタイプのウイルスが流行するか」「変異はどのくらい、どのように起こるか」を予想していきます。この情報をもとに、WHO が年に 2 回「ワクチン株選定会議」を開きます。北半球用のワクチンは 2 月に、南半球用は 9 月に。これがひとつの山場です。さて、今年の 9 月に行われたこの会議、どこで行われたと思いますか?なんと日本なんです。北海道札幌市のアスティホールという、院長も一度なにかの会議で行ったことがある、「え、ここで世界的な会議が行われているの?」と思うようなこじんまりとした(失礼!)イベント会場です(https://www.who.int/news-room/events/detail/2025/09/26/default-calendar/who-information-meeting-on-the-composition-of-influenza-virus-vaccines-for-use-in-the-2026-southern-hemisphere-influenza-season)。日本からは北海道大学ワクチン研究開発拠点の主要メンバーで、特任教授である 長谷川 秀樹 先生(https://www.ivred.hokudai.ac.jp/member/3598/)が代表として出席されました。

こういった有識者会議で選定されたワクチンの効果を、米国の CDC(疾病予防管理センター)が出している季節性インフルエンザに対するワクチンの効果に関する報告(https://www.cdc.gov/flu-vaccines-work/php/effectiveness-studies/index.html)を、「ワクチン賛成派/反対派」みたいな主義主張ではなく、虚心坦懐に "科学的な眼" でみるかぎり、「毎年効いている」と言えます。ただ、ワクチンは「効いている」といってもその中身が大事で、「重症化するかしないか」「死亡するかしないか」などの検証が必要ですし、また一方で「安全性」の検証も必要で「後遺症があるか」「あるとしたらどのような後遺症がどの程度残るか」など、多くの評価項目があります。患者さんに診察室で「ワクチンって打ったほうがいいんでしょうかねぇ・・・」と聞かれるのですが、「一言で答えなさいと言われれば "Yes" です。ただしリスクは 0 ではありません」と言って(低いですが)リスクについて話す、というのが院長の一般的なスタイルになっています。

さて、実施の臨床現場で「インフルエンザと COVID-19 を症状のみから鑑別する」ということは難しいです。鼻閉(鼻詰まり)や関節痛が強めでより高い熱が出ているほうがインフルエンザの可能性高い、という "傾向" はみられるものの、確定的ではありません。そこで診断には迅速診断キットを活用することになります。鼻の中をグリグリやられる不快なアレです。発熱してしっかりと診断してほしい、と思われた方、診察時間内であれば是非  070-1534-7021 までご連絡ください。できる限り対応させていただきます。

これから年末年始にはいります。人流が増えていく時期、かつ今年は年末年始の休みが長い方が多いと報道されています。楽しい休日になるよう、感染予防はしっかり行って過ごしましょう!

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