あらためて歴史を知ったり関連の本を読んだりすることの大切さと。そればかりでもいけないことに気づいた日曜日。
昨日は秦野の歴史について少しだけ述べてみました。というのは、院長の趣味として最も時間を割いているものが「歴史に関する本を読む・自分なりに歴史を学ぶ」ことだったりするからです。こういったことを口走ってこれまでに言われたことがある、ちょっとイヤな事例を挙げると、「昔のことを勉強するなんて後ろ向きじゃない?」とか「結局歴史って勝った側の美談でしょ?」とか「結局人類は同じ過ちを繰り返すんだから意味なくない?」あたりでしょうか。医者仲間からもよく言われます。「歴史よりも AI とかテクノロジー学んだほうが未来に役立つでしょう」みたいな感じで。
しかしながら院長はもともと(小学校低学年から)歴史が好きだったので、そこに時間をかけることの意義について特別考えたことがないのです。しかし、歴史を知っていることでこれまで 50 年近くの人生で本当に助けられたことが多くありました。特に「歴史(特に日本史)を通じて日本という国にどのような特徴があり、そこに暮らす人がどのような傾向か、をぼんやりと分かるようになった」ことは自分にとって大きな "お役立ちポイント" でした。
自分なりに例を挙げてみます。歴史を大学などで専門に学んだ者ではないので戯れ言と捉えて下さい。
(1) 空気による同調が異論を潰す
現在の事例でいえば "専門家が疑義を呈しても、「今それを言うのは不謹慎」「足並みを乱すな」という空気" が言論界や社会のなかで醸成されてしまい、さらなる議論が封じられがち。これは太平洋戦争開戦前の翼賛体制とか、治安維持法を拡大解釈した特高による異論封殺などが比定されます。
(2) 人口構造など、社会情勢の変化を「"自分たちの" "現在解決すべき" "喫緊の" 課題」としてとらえられず、未来に先送りする
現在の事例でいえば人口問題。第一次・第二次ベビーブームで人口ボーナスがあった頃(1990 年中盤くらいまででしょうか)と異なり、2000 年代から(ベビーブームの頃と比べるとだいぶ結婚・出産が少なくなったため)人口オーナス期に入っているのに政治家は票田となる高齢者に優しい政策を掲げ、社会全体も「まあこのまま自分たちが逃げ切れればいいか」という感じで抜本的な対策をとらない。これは少子化対策としてよくいわれる「移民受け入れ」「二重国籍解禁」「戸籍制度の変更(非嫡出子の廃止など)」「多産夫婦への税制優遇措置」などが大々的に行われないことが比定されるでしょう
(3) 有能な人材が "危険分子" 扱いされる
よしながふみさんの漫画、『大奥』(本当にこれは名作。江戸時代に「正しいことが正しいと認められること」がいかに大変だったかわかります)を読んでもらうのが一番手っ取り早いのですが、日本は "問題点を正確に指摘する人ほど、「扱いづらい」「空気を読まない」と周縁化される傾向" があります。罪の文化ではなく恥の文化の国だからでしょうか。江戸時代に「世界は近代化が進んでいる!植民国に成り下がらないためにも、日本は一刻も早く鎖国を解き、欧米に倣って近代化すべし!」と言った何人もの知識人を幕府が弾圧してきたことが比定されます。未来予測は難しいからこそ、先を見通すひとは一見 "奇異な感じ" に見えてしまいますが、社会変革のスピードが速い現在、ときにトップダウンで物事を決めるための権限集中も、ときには必要なのかもしれません。
これらは、異民族の侵入が王朝の交替に大きく関わる中国、国境がめまぐるしく変わる欧州、マニフェスト・デスティニーを疑いもなく信じて領土拡大(西部の侵略)を行ってきた米国などと比較すると、"日本がいかに島国で外界と隔てられてきたか" がよく反映されている特徴ではないでしょうか。
ドイツのビスマルクが「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」という言葉をのこしたと言われています。医療でいえば「経験よりエビデンス」ということになるでしょうか。もちろんすべてが歴史で答えを出せるわけではありませんが、「人類のデータベース」として活用しない手はなく、歴史を学ぶ意義は大きいと院長は思うのです。
・・・まあ冒頭に書いたように、"趣味" ですからそこまで考えて歴史小説を読んだりしているわけではないのですが、なんだか最近 2 人くらいから立て続けに「歴史なんて古いものを学んでも云々」みたいなことを言われたので一回立ち止まって考えてみました。
そんなわけで、今日も院長は本を読み読み日曜日を過ごします。ただ、むかし「プチダノン」の CM で「アタマばっかりでもカラダばっかりでもダメよね♫」みたいな唄が歌われていて、まあそうだと子どもながらに思ったことがあります。今日は「第 71 回 秦野市駅伝競走大会」、当院の周辺をたくさんのランナーが走る日です。アタマばっかりではなく少しはカラダも鍛えないといけないので来年は(6 人チーム制なので)当院スタッフが参加してくれるかちょっと打診してみようと思います。
