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なにか新しい研究や事業をやろうとするとき、大切なものは "足元" にある、と言われますが、健やかでいるにはそれと同様に "まず自らの生活(足元)を見てシンプルに考える" ことが大切なようです。

[2026.01.29]

先日 YouTube を流していたらオリエンタルラジオの中田敦彦さんが主宰している『中田敦彦のトーク』(中田さんのセカンドチャンネルでしょうか)のなかで「健康のための習慣ベスト 5」という動画がありました。世の中に多くの情報があふれ、「◯◯ が良い!」「▢▢ を飲むべき!」「△△ こそこれからの現代人に必須!」みたいなことが言われる(ついでに宣伝のためのリンクがついていることが多い)昨今ですが、この動画で奨めていたのが

(1) 早寝早起き

(2) 禁酒・禁煙

(3) 少食

(4) 散歩

(5) 会話(コミュニケーション)

というものでした。内分泌・代謝に関わる疾患の診療に関わっている医師の立場からしてもこれは本当に納得のリストです。2 型糖尿病でなかなか体重のコントロールがつかない方、脂質異常症(高コレステロール血症など)を健診で指摘されて紹介されて来られるたもののなかなか食生活や嗜好品についての諦めがつかない方、痛風発作を発症して涙目で受診される方、さまざまな患者さんがいらっしゃいますが、これら 5 つがすべてできている、というケースは確かにほとんど経験したことがありません。特に (1) について、中田さんは「21:30 寝の 6:00 起き」を実践しているということですが、「睡眠の "質" は睡眠の "量" とほぼ同義」とする研究報告が多い現代の睡眠医学におけるエビデンスからみてもこれはうなずける内容でした。ちなみに院長はこんなに長く睡眠時間を確保できていません。これより寝る時刻は遅く、起きる時刻は早い。胸をはって「睡眠時間は十分です!」とはとてもいえない状況ですのでこの点は今後自分にとっても課題と思っています(若い頃からなかなか 8 時間以上眠る、という習慣がなかったせいもあるかもしれません)。

中田さんも動画のなかでおっしゃっていますが、「"健康にいいこと 5 選" はメチャクチャ普通のこと」「お金は一円もかからない」「すべてがルーティンになればラク」。まさにそう。ジムにいく必要もないし高額のロードバイクを買う必要もない。食費も浮く。どれも、いつでも誰でもやろうと思えばできることです。ただし「・・・だけどこれら普通のことをしっかり続けていくのが超〜ムズいんですよ」と言っています。そうなんですよね。大好きなマンガ『ミステリと言う勿れ』でも主人公の整くんが「映画とかよく、これから訓練とな練習とか何かを始めますって時、音楽が流れて日数だけがどんどん過ぎる映像になったりしませんか。そこが一番難しいのに!習慣にして毎日休まずちゃんと続けるって一番そこが難しいのに!映画はさらっと流すんですよ、はい毎日やりましたって、一体どうやって!どうやったら毎日続くのかそこを言ってほしいのに。」というシーンがありますね。完全同意。

野球選手のイチローさんが子どもたちに野球を教えるときに「小さなことを積み重ねていくことだけが "とんでもないところ" に行くたった一つの道なんです」と言っているのを観たことがありますが、まさにそれ。NPB 在籍中から MLB に行ってもずっとあの、バッティング構えの前に見せるバットを立てる "あのポーズ"。ああいったルーティンをひとつひとつ積み重ねていくことだけが天才になるための必要条件なのでしょう。とにかく愚直にやり続ける。そのことだけがヒトを大きく成長させることに違いありません。・・・って分かっていても難しいのですが。

院長は開業するまで、すなわち勤務医時代は、毎日がルーティン化しているとはとても言えませんでした。いろいろなところ(海外含む)に講演に行かせてもらえたり、長時間手術で日付がかわったり、職場で「今晩はみんなで食事でもしようか」みたいなことで帰りが遅くなったり、入院患者さんの病状によっては夜中に呼び出されたり・・・。なかなか "決まったこと" を積み重ねることは難しい環境であったと思います。大病院で働いていると。その頃と比べて現在は起床・就寝時刻はもちろん、診療時間が決まっております(もちろんときどきは診察終了時刻直前の駆け込み受診もありますが)ので、ルーティン化しやすい環境になっております。

だからこそランニングや筋トレ、このブログや医療・医学に関する自学自習を怠らないようにする。小さなクリニックで働く院長がなにかを成し遂げられるとしたらこういった "小さなことですが継続して積み上げていくこと" だけが、それにつながる唯一の道であることを信じて日々 5 時起床を心がけています。

そんなことを考えながら、これからも秦野北クリニックで日々診療できる、という "アタリマエのようでアタリマエではない、大変ありがたいこと" を日々意識して、患者さんといっしょに「小さなことですが、一緒に続けていきましょう」というスタンスで開業医生活を送ってまいります。今後ともよろしくお願いします。

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