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はじめて手術をうけた 2007 年 10 月の頃 を振り返る- その 5

[2024.12.10]

無事手術を終えた 30 歳の院長。あとは術後の回復期間をゆっくり過ごすだけ・・・と油断していましたが、そうは問屋がおろしませんでした。4 つの地獄が待っていたのです。

  1. 意外と腹腔鏡手術の創部が痛い地獄: 腹腔鏡手術を行いわずか 4 ヶ所のキズしかないのに結構痛いのです。おそらく当時はまだ若く、学生時代に鍛えていたカラダの筋層の貫通部に痛覚神経が多数走行していたのでしょう。
  2. 全身麻酔手術後に咳が頻発する地獄: 腹腔鏡手術は全身麻酔で行います。全身麻酔を受けると、たいていその日と翌日くらいまでは、(a) 喉奥まで入った気管チューブの刺激 (b) 術中気道分泌物を排出するための防御反応 (c) 病院はたいてい乾燥しているのでその低い湿度による刺激 などにより咳が出ます。この咳が出るときがキズに響く響く。飛び上がるように痛がりながら術後のベッドで咳をしていました。
  3. 全身麻酔薬による吐き気・嘔吐地獄: 麻酔薬を投与されるとかなりの割合(院長の印象ですと 50% 以上)で吐き気を感じ、ときには嘔吐が誘発されます。この「何も食べていないので胃液が込み上げてくる感じ」が非常につらい。のどまわりの違和感も相まって 2. の咳も誘発されるし・・・。
  4. 尿道カテーテル違和感ムズムズ地獄: 泌尿器科医としてこれまで何千例もの尿道カテーテルを入れてきた院長ですが、自分がやられるとこんなにつらいのかと思いました。眠ろうとしてもつらすぎて目が冴えてしまうのです。一晩だけだったのですが本当につらかった。

結局「ある程度体力戻ったな」と自覚するまで術後 5 日を要してしまいました。月曜日に手術を受け、術後 2 日目の水曜日に退院できたのですが、翌週月曜日になんとか仕事復帰することができました。

・・・この経験は自分の医師人生に大きな影響を与えてくれました。いい意味で。これ以降は手術患者さんに接する態度がそれまでより輪をかけて優しくなったと自負しています。あとは術後の自分に対して痛み止めなどを投与してくれる看護師が本当に頼りになりました。同じ病院のスタッフが入院すると「医療従事者なんだからごちゃごちゃ言わないでコッチの言う事ちゃんと聞いて模範的な患者になりなさい!」と言わんばかりの冷たい態度を取られることもありうるのですが、当時の癌研ナースチームは皆さん本当に受容的に接してくれました。今更ながら感謝しております。

5 日にかけて書いてきた院長の「初めての手術」シリーズ。本日で終了です。

実は来月 1 月に院長は外来で完了する小さい規模ですが、手術を受ける予定があります。無事終わることを今から祈っています。診療への影響は極めて小さい部位の手術ですのでご安心ください。

また機会がありましたら 2 回目の手術(副鼻腔炎)、来月受ける 3 回目の手術についてもレポートしたいと思います。

健康第一!

「頼れる外科医」をイラスト化してみました。術後痛みで苦しんでるときにこんな先生が力強く「大丈夫!」とか言ってくれたら惚れてまうでしょうね・・・。

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