まだまだ一般の方にはかなりの影響力をもつテレビというメディアは生き残っていくと予想しています。
診療報酬。これを聞いてもなかなか医療従事者でないとその意味がわからないと思います。これは、医療機関が行った診療や検査、処方など様々な医療行為に対して国が定める “料金表” のようなものです。患者さんが病院やクリニックで支払う医療費のうち、自己負担(現役世代なら通常 3 割)以外の部分を保険者(国や健康保険組合など)が医療機関に支払いますが、その金額の基準になるのがこの診療報酬です。つまり、健康保険制度に基づく医療は「自由価格」ではなく、全国一律の公定価格制度で運営されています。すなわち東京の一等地でも、当院のようないわゆる非都市部でも、保険診療である限りは値段が変わらない、ということです。
この診療報酬、原則として2年ごとに国(厚生労働省)が見直すことになっており、これは「診療報酬改定」と呼ばれます。「改定率」という形で全体の医療費の増減(たとえば+0.88%など)が決まり、その中で個別の項目(初診料、手術料、在宅医療、介護との連携など)が細かく調整されます。上記のように、「医療の料金表を決める権利は医療機関や医師ではなく、国(厚生労働省)がもっている」ため、この改定はわれわれ開業医にとっては経営の面で大きな影響を及ぼします。
本日、クリニックのオープン準備をしているとき、テレビを点けると NHK のニュースで、「診療報酬改定」について、ふたつの大きなポイントについて報道されていました。ひとつが 「OTC 類似薬の保険適用見直し」であり、もうひとつが「国全体での病床数削減」です。後者は地域医療が円滑に行われるうえで、大変重要なポイントであることは間違いありませんが、病床をもたない当院のようなクリニックにはすぐに関係する話題ではありません。それよりも影響があると予想されるのは前者、「OTC 類似薬の保険適用見直し」です。NHK のニュースでは "OTC 類似薬の保険適用外し" について賛同も否定もしていないように報道していました。これが完全に実施されると当院のような「軽症の患者さんを多く診る」というスタンスで診療している医療機関には大打撃となります。患者さんもこれが導入されると、おそらく最初は「どうして医療機関にわざわざ受診したのに自費の薬があるの?」とか「時間をかけてクリニックに行ったのに、保険がきかないうえに処方箋も出してもらえない」、さらには「同じく感冒のときに処方する薬であっても ◯◯ の薬は保険が効くのに △△ は効かない」とかいうことになったりすると、患者さんからすると「もうクリニックなんて行かなくていいや、自分で薬局行くわ」みたいになる可能性があります。
「診療の値段も決められず、保険適用についての決定権もない」となると、今後は歯科のインプラントのように、医科においても「一部自費」が認められていくことになると思われます。そうなると大きな資本を有する医療法人による開業医の淘汰が始まるかもしてません。イオンやジャスコが大きな店舗をつくって地域の商店街をシャッター街にした、と言われることがありますが、そんな感じになっていくかも。
ただし、医師や看護師などの医療従事者は、集約して大きなセンターにしたほうが効率的な医療が展開できるのもまた事実です。国全体でこの厳しい財政状況のなか、どのような政策を打ち出していくのか、高市政権に注目です。
さて、そんな報道をすぐにニュースとして得られるテレビ。院長は自宅にテレビを置かなくなって 18 年くらいになりますが、まだまだ患者さんからは「テレビで ◯◯ が腎臓にいいと言っていたけど・・・」とか、YouTube 動画でもテレビ番組の切り抜きが多くアップされており、その影響力は今でも大きいと感じております。
そのテレビは院長の "母校" の卒業生が開発に大きく関わった、という記録が残っております。
日本の「テレビの父」と呼ばれるひとは、東京工業大学の卒業生でした。そして昨年より、東京工業大学は院長の母校である東京医科歯科大学と合併して 東京科学大学 として運営されています。なので一応 "母校" ということにしましょう。この 20 世紀最大のメディアであるテレビについて、それが医療に与えた影響なども加味して明日紹介してみますね。
院長も以前 BS の番組で取材されました。もう 10 年くらい前ですが(BS-TBS 『風に吹かれて』 より)。
