カニカマとカニ;エキス剤と煎じ薬;蒲焼さん太郎とウナギ ⇒ 後者はホンモノ、前者は類似品かもしれませんが、類似品にも使いみちはあるものです。
院長は英国のロックが好きで昔から聴いておりますが、最近はネットでいくらでも昔の音楽が聴けるので異なるジャンルにも手を出しています。特に昔の邦楽が無料で聴けるというのは本当にありがたいです。YouTube さんが作成したミックスリストを流して、おばあちゃんが好きだったジャズ・シンガー江利チエミ(高倉健さんと結婚(!)されていたことを最近知りました)さんの『テネシーワルツ』とか聴いたりしています。そんななか、どういうアルゴリズムになっているのか、最近矢野顕子さんの『春咲小紅』が流れてきました。懐かしい・・・。確か中学生の頃にクラスメイトが CD を貸してくれた記憶があります。もう最近はなかなかみないですねぇ、CD。最初は「なんだかすげぇ高い声だなぁ、くらいにしか感じなかったのですが、繰り返し聴いているうちにその声に中毒性にハマっていき、アルバム『ただいま。』を購入してきちんと聴いた記憶があります。14 歳頃か。アルバム CD、まだ実家にあるはず。
そんな矢野顕子さんのモノマネをされるのが清水ミチコさん。このひともスゴいひとです。努力と才能があふれている方で。小学生時代、深夜に兄と一緒に観ていたダウンタウンとウッチャンナンチャンが共演していた伝説のコント番組『夢で逢えたら』にキャスティングされている頃からのファンです。演技させてもモノマネさせてもただ歌を歌わせても演奏させてもその場にいるひと全員をよろこばせる実力を持ったタレント(このコトバ、あまり好きではないのですが、この方はまさにタレントだと思う)さんです。
先日前橋で開業されている耳鼻咽喉科・竹越耳鼻咽喉科医院院長で現代漢方名医のひとりである 竹越 哲男 先生のレクチャーを拝聴する機会がありました。そのなかで竹越先生が清水ミチコさんのことを話題に出し、清水さんが「わたしはモノマネ芸人として知られています。でもわたしは "カニカマ" で "本物のカニ" にはなれないんです。たとえばわたしは矢野顕子さんが好きでモノマネもやらせてもらっていますが、矢野さんは "本物のカニ"、でも私は "カニカマ"」。的なことをおっしゃっていた、というエピソードを教えてくれました。一方でこれを耳にした矢野顕子さんも、「わたしは逆にカニカマにはなれません。カニカマはある意味ではカニよりもいろいろな料理で使われる用途があり、カニカマにはカニカマなりの役割がちゃんとある・・・」みたいなコメントで応答したそうです。
・・・素敵なハナシです。医療でもなんでも "専門" について語りだすといくらでも深く掘り下げられるほどの情報が溢れているのが現在。院長は泌尿器科医ですが、泌尿器科のなかでさえ、排尿障害・腫瘍・Female Urology・小児・尿路結石・メンズヘルスや内分泌・尿路感染症などと細分化され、腫瘍なら腫瘍で腎がん・尿路上皮がん・精巣がん・前立腺がん・後腹膜腫瘍などさらに細かくなり、「前立腺がんの画像診断」「腎がんの手術療法」「尿路上皮がんの薬物療法(← 現在ここは進歩が著しい分野です)」などさらにさらに細かくなります。
ただ、クリニックで日々診療しているといろいろな患者さんが来院され、開業医は総合診療的な役目が求められます。 感染症専門医ではありませんがワクチンを投与したりインフルエンザを診る。整形外科医・救急医ではありませんが外傷とか熱傷を診る。糖尿病専門医ではありませんが血糖が高くて健診で指摘された方を診る。院長の日々はまさにカニカマ。そんな日々ですが、やはり自分も最近はカニカマなりの矜持が出てきたのでしょうか、そんな自分の役割を(開業当初よりも)楽しめるようになった気がします。
そんなことを思いながら本日も YouTube の自動再生で(画面を観ないで音だけ聴いていると)矢野顕子さんを聴いているつもりが実は清水ミチコさんの歌だった・・・みたいな勘違いを楽しみつつ、診療後にこのブログを書いております。
