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スギ花粉が落ち着いてもまだいろいろ・・・

[2024.04.29]

直径 2.5 ミクロン未満の微小粒子状物質(PM2.5)がアレルギー症状を引き起こす、というのはずいぶん前から言われています。さらに最近は黄砂の影響も加わり、3, 4 月と 5 月中旬くらいまでは抗ヒスタミン薬という、アレルギー症状に対してまずはじめに使用する薬が多数処方される時期です。

黄砂とは中国をはじめ、東アジアタクラマカン砂漠などの砂漠地帯、黄河流域の黄土が堆積した黄土地帯から発生する砂やちりのことで、強風によって上空に舞い上がり、日本を含めた周辺地域まで偏西風に乗って飛散し黄砂現象を起こします。数十マイクロメートル以上の大きな粒子の黄砂はそのまま落下するのですが、1〜30 マイクロメートル以下の小さな粒子の黄砂が偏西風に乗って遠くまで飛ばされることになります。飛ばされる過程で黄砂は微生物の死骸や金属類を巻き込み、特に工業地帯を経由してくると汚染物質など様々なアレルギーを引き起こす有害物質を含んでしまいます。日本では花粉症の時期と重なることが多く、上記のような発生様式から西日本で多く観測されます。

今回は上記のうち、PM2.5 がアレルギー症状だけでなく、認知症リスクの増加につながる、という少しびっくりする論文を紹介します。米国・ハーバード大学公衆衛生大学院の Elissa H. Wilker 氏らによる論文で、Brithish Medical Journal という一流誌に昨年 4 月掲載されたものです(https://www.bmj.com/content/381/bmj-2022-071620.long)。彼らは認知症リスクにおける大気汚染物質の役割の調査を目的に、51 本の文献について系統的に評価を行い、うち 14 本についてメタ解析と呼ばれる、統合的な評価を行いました。

それによると PM2.5 曝露量がある一定の数値(2μg/m3 以上)を超えた場合、認知症発症のリスクが 3〜42% 上昇する、という結果でした。

こういった疫学研究は他に関連している可能性がある因子(交絡因子=研究で検討されている主要な要因と、得られた結果との間の関係を誤解させる可能性を含む要因)が多数含まれるため、結果をそのまま鵜呑みにするのはよくありません。ただ、直感的に「キレイな空気はカラダにもアタマにも良い」という感じはします。

いずれにしても、PM2.5 やその他の大気汚染物質への曝露は制限されるべきであり、なるべくキレイな空気の中で過ごすことが心身に良い影響を与えることは強く示唆されるところです。キレイな空気・・・例えば秦野なんていかがでしょう?水もキレイですよー(^^)

 

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