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ヒトが毎日行う生理現象に影響する ”コリオリの力”

[2024.04.30]

北半球と南半球ではトイレを流したときに "とぐろ" の向きが逆になる、という話を聞いたことがあるでしょうか。院長はこれが本当なのか、ずっと関心をもっていました。なぜかというと以前書きましたが院長は推理小説が大好きで、綾辻行人先生の「館」シリーズのひとつにこのことがヒントとして出てくる作品があるからです。

南半球に行く用事がなかなかなかったのですが、2017 年、ついに娘が留学しているニュージーランドに行く、ということで行く機会を得ました。そこでトイレの流れ方を見てみると・・・あまり一定していません。最初は時計回りで最後は反時計回りになったり時計回りのままであったり。北/南半球によるとぐろ(バスタブ渦とも呼ばれる)の話は都市伝説だったのか・・・。

・・・と思っていたら 2012-2014 年に流体力学が専門である同志社大学の水島二郎教授を中心とした研究チームが実験的な状況で「コリオリの力」とよばれる力学的な要因でバスタブ渦の向きを決定する因子であることをすでに示していることを知りました(

">https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25375427/)。これによると、トイレやバスタブは、水が流れやすいようにその形態が人工的にデザインされていることから、コリオリの力の影響は極めて小さくなってしまうようです。

しかし、トイレやバスタブではなく、非常にシンプルな実験環境を整え、北半球と南半球で同時にこの "とぐろ" を作ってみた、という YouTuber がいます(下写真)。すごいですね(

">
)。英語ですが、是非見てみてください(字幕もつけられます)。なぜ北/南半球で "とぐろ" の向き(この YouTube では Toilet swirl と呼んでいます)が逆になるか、の説明もついています。この YouTube チャンネル、登録者数 1540 万人。英語でよいものを発信するとやはりすごい視聴者数になるんですね。

なぜこんな話をするかというと、われわれが毎日行う生理的排泄減少、排尿も流体力学であるからです。年齢を重ねると多くのヒトが排尿にまつわる症状を自覚するようになります。そのなかで「尿勢低下」すなわち「おしっこの勢いが弱い」という症状は非常にストレスになります。チョロチョロとして出ない尿勢ですと、排尿に時間がかかるだけでなく、膀胱内圧が上昇、膀胱の肉柱形成と呼ばれる変化により排尿筋が低下したり、腎機能にまで影響(腎機能低下)することがあります。

その点について前立腺肥大症手術症例のリアルタイム超音波検査により詳細に観察した論文について、明日のブログで紹介したいと思います。排尿整理・排尿機構・神経泌尿器科学などについて超音波検査などわれわれが日常診療で用いているものをうまく工夫して様々な知見を発表し、この分野で学会をリードする信州大学泌尿器科学教室の皆川先生による研究です。

 

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