同期が優秀だとすごくありがたいというハナシ
社会が多様化してきたといってもまだまだ日本は 4 月の春に新入生・新入社員が多数誕生し、同時に新規雇用、というスタイルが主流かと思います。
こうなると学生・社会人を問わず「同期」はいるわけです。
院長が社会人(=研修医(当時制度としての研修医はまだなかったので医師 1 年目のことをそう呼びます))となった 2001 年、同じ東京医科歯科大学泌尿器科学教室に入った若手医師は 4 名でした。当時、大学が再編して「大学院大学」という名のもとに教室名の正式名称はすごく長かったのを覚えています。ちゃんと書くと、「東京医科歯科大学大学院・医歯学総合研究科・器官システム制御系・尿路生殖機能学 講座」という、とても覚えられない教室でした(ほかの診療科も同じような感じでものすごく長い名前だった)。
その 4 名のなかで大学時代も仲良く過ごしていたのが昨日も紹介した 吉田 宗一郎 先生でした。吉田先生の医師としての業績を簡単に紹介すると下記のようになります。
・2004 年に当時在籍していた浜松医療センターで使用可能だった 11コリンーPET という最新技術で前立腺がんの再発病変に対する臨床的知見を示した
・埼玉医科大学総合医療センターで結石の画像診断について、CT を用いて治療したときの「割れやすさ」などを定量的に示した
・留学先の米国 国立衛生研究所(NIH)で熱ショックタンパク(Heat Shock Protein)の基礎研究で新たな知見を示した(このタンパクをターゲットとした薬が 2022 年に承認(ジェセリ)されています。
・おもに脳血管疾患などで用いられていた拡散強調 MRI を泌尿器科腫瘍診断や経過観察に応用し、よりテーラーメイドな治療につながる指針を示した。
・・・ちょっと書いただけでもこんな感じです。このうえさらに日々の臨床や学生指導、若手論文の校正に研究費獲得など、いったいいつ寝ているのかわからないくらいの仕事量です。
学生時代から本当に優秀だったのですが、どの勤務先に行っても常にその場でベストパフォーマンスを出し続けており、知り合って 29 年、常に尊敬し続けております。優秀な同期がいるといろいろと新しい知見を気軽に聞けますので大変ありがたく、自分もその点でお返しをしなければ、と頑張れるので彼が親友であるというのは院長にとって本当にラッキーなことです。今後もお互いそれぞれの現場で活躍していけるよう、刺激し合っていければと思います。
写真は 2017 年の欧州泌尿器科学会(ロンドン)です。まずは自分も吉田先生と同じ国際学会で発表できるよう頑張ります。