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年男に嬉しいプレゼントとそれを見て思い出したおばあちゃんと '95 年の名文

[2025.02.03]

先日ある患者さんから誕生日にヘビのマスコットを頂きました\(^o^)/ 48 歳となり、巳年生まれの自分としては大変嬉しいプレゼントでした。ありがとうございました!

こういった手芸品をみると片親であった自分を育ててくれた富佐子おばあちゃんのことを思い出します。亡くなってもう 15 年以上経ちますが、院長の人生に大きな影響を与えてくれたひとでした。学ぶことの大切さ、人付き合いに必要な誠実さ、仕事をやめずに続けるコツなど。結婚し、妊娠がわかったあとに夫がフィリピンに出征し、そのまま戦死してしまったため女手ひとつで一人娘(院長の母)を育て上げたからこそ身にしみてわかった人生訓を惜しみなく伝えてくれました。その言葉はいまでも自分のなかの金言として残っております。

最後に、戦死した夫のことを想い続けた女性のひとりとして、秋田県能代市二ツ井町が主催した 1995 年 2 月 14 日バレンタインデー「第1回 日本一心のこもった恋文」大賞に輝いた柳原タケさん(当時 81 歳)の亡くなった夫宛の手紙を紹介しておきたいと思います。何回読んでもタマシイが揺さぶられる名文です。

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天国のあなたへ  秋田県 柳原タケ
 
娘を背に日の丸の小旗を振ってあなたを見送ってからもう半世紀がすぎてしまいました。
たくましいあなたの腕に抱かれたのはほんのつかの間でした。
三十二歳で英霊となって天国に行ってしまったあなたは今どうしていますか。

私も宇宙船に乗ってあなたのおそばに行きたい。
あなたは三十二歳の青年、私は傘寿を迎えている年です。
おそばに行った時おまえはどこの人だなんて言わないでね。
よく来たと言ってあの頃のように寄り添って座らせてくださいね。

お逢いしたら娘夫婦のこと孫のことまたすぎし日のあれこれを話し思いきり甘えてみたい。
あなたは優しくそうかそうかとうなずきながら慰め、よくがんばったとほめてくださいね。
そしてそちらの「きみまち坂」につれていってもらいたい。
  春のあでやかな桜花、
  夏なまめかしい新緑、
  秋ようえんなもみじ、
  冬清らかな雪模様など、
四季のうつろいの中を二人手をつないで歩いてみたい。
 
私はお別れしてからずっとあなたを思いつづけ愛情を支えにして生きてまいりました。
もう一度あなたの腕に抱かれてねむりたいものです。
力いっぱい抱き締めて絶対はなさないで下さいね。

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読むたびに涙腺が・・・。

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