救急車は病院外からの搬送はもちろん、病院間搬送も行われる極めて重要なインフラですので、適切な 119 番の活用を心がけましょう。
昨日の秦野市はずいぶんと風が強かったです。最近は 2 か月前に大分県、本日も山梨県で山火事のニュースが報道されていました。乾燥する季節です。火の元には十分ご注意下さい。院長の義父(妻の父)は消防隊員(ということは救急隊員でもありますね)で茨城県内の消防署庁舎に勤めていました。そのため、よく 119 番で「火事ですか?救急ですか?」という冒頭の質問がありますが、「火事でもあり救急でもある」という出動がこれまで何度もあったそうです。義父はもう引退しておられますが、いろいろな経験をされているのでそれらのハナシを教えてもらって当院の防災に役立てています。
さて、クリニックで勤務してからはまだありませんが、病院勤務医をしていると「患者さん搬送のために救急車に同乗する」というケースがときどきありました。というのは、院長が勤めていたところが がんの専門病院 だったので、循環器内科・心臓血管外科・脳神経外科などの「超緊急で対応しないと亡くなってしまう疾患(心筋梗塞とか大動脈解離とか脳出血とか)に対応する診療科がなかった(これらの臓器には悪性腫瘍がほぼできない、または少ないんです)」ためです。入院中の患者さんや、自分のかかりつけになっている患者さんが急に心筋梗塞を起こした!とかなると、ただちに近隣の施設(提携を結んでいましたのでハナシはスムーズでした)に TEL して「◯◯ がんに対して ◇ 日前に ◉◉の手術をした ▢▢ 歳男性でもともと高血圧と糖尿病を併存している患者さんですが、★★ 時間前から胸部絞扼感を自覚され、心筋梗塞と考えてよさそうな心電図・心エコー所見を呈しています!」とか伝えるわけです。
このとき、バイタルサイン(血圧とか脈拍とかヒトが活動するために必要な、非常に基本的な生命兆候)が不安定(たとえば血圧が乱高下していたり、強い疼痛で心拍数がやたら上がっていたり)だと、救急搬送中に心停止なんかもありうるわけです。そのようなときは病棟の担当医が救急車に同乗し、搬送先まで向かいます。そのうえで
・入院して発症までの詳細をこれから治療する診療科(心臓なら循環器内科や心臓外科の先生、脳なら脳神経外科や神経内科の先生)伝える
・そしてもうひとつ重要なのが、術後 4-5 日目とかだとまだまだその患者さんのメインの手術後の経過もしっかりと管理しなくてはいけません。そのため(院長は泌尿器科医なので)先方の泌尿器科先生に「◯◯ がんに対してこのような術式でこんな感じで手術しています。今後(たとえば心臓の治療としてよくあるのが)抗凝固剤(血液が固まりづらくなる薬)が大量に投与されると出血のリスクが ▲ % くらいあるかもしれませんのでどうか注意しながら管理をお願いします」など伝える
・さらに、当然ながら大変不安を感じておられる患者さん本人とそのご家族に「当院では対応できない病態となり、搬送させていただきました。(心臓や脳などの)現在起こっている病態が落ち着けばすぐにまたもともと入院していたわれわれの施設に戻っていただきますのでそれまではしっかりここで治療を受けて下さい・・・」など、きちんと伝える
ということになります。院長の経験上、入院中に発見され、すぐに搬送された場合は極めて迅速に対応していることと同義ですので記憶している限り、すべの患者さんが問題なくまた戻ってきて、無事ご自身の足で歩いて退院、となったと記憶しています(脳梗塞で少しリハビリが必要になるケースはありましたが)。
それくらい「救急搬送」というのは重要なもの。迅速な対応の有無で、その後の予後(治療成績)は大きくかわります。われわれ医療者は日々消防署や隊員の皆様にお世話になっております。今後ともどうぞよろしくお願いします。
さて、院長も非常勤をしている東海大学医学部付属病院が、年末の 12 月 23 日に秦野市・伊勢原市と「救命救急活動における映像通報システムの映像提供に関する協定」を締結しました。両市では昨年 4 月に 119 番通報を一括して受ける「秦野市・伊勢原市共同消防指令センター」を設置し、通信司令員が必要と判断した場合に 119 番通報者に動画の送信を依頼する「Live 119」を導入しています。これにより医師が負傷者や現場の状況を正確に把握して処置の指示などができるため、より効果的な救急処置につながります。救急は初動が極めて重要です。電話で状況を口頭のみで伝えるというのは医師どうしでもなかなかに困難なもの。この協定締結により、秦野・伊勢原の救急救命活動のさらなる改善につながることを、地域診療所の院長として強く期待します。
ちなみに今回の協定締結による運用開始は 1 月 19 日 8:30 AM からだそうです。院長は医師になったあと、すぐに救急救命活動ができるよう、ほぼ毎年救急救命のワークショップに参加しておりますが、昨年は出席できませんでした。今年はどこかで必ず出席し、(なにもないのがよいのですが)万が一何かあったときにすぐカラダが動くよう、日頃から心がけておきたいと思います。
