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最近中学校の英語教科書を読みましたが自分が教育を受けた頃よりだいぶ会話が実践的にになっている印象があるので会話で苦労することは少なくなるといいなと思います。

[2026.08.13]

学生時代は英語が得意科目でした。たくさんの単語を記憶して長文を読み、発音問題(make と take の "a" の発音は同じ、とか答えるアレです。センター試験から大学入試共通テストになってもう消滅していました)やアクセント問題も楽楽とこなし、センター試験では 189/200 点だったと記憶しています。前期で不合格になった東京大学理科三類の試験でも、英語はほぼほぼ完璧だった(当時は入試の点数を開示してくれないのであくまでも手応えですが)ハズです。

しかしその後、大学 2 年生ではじめて海外(シカゴ・ワシントン DC・ニューヨーク、高校の友人と一緒の単なる旅行ですが)に行き、「受験英語で身につけた英語ではうまく話せない」ことを 2 週間で実感しました。まず定型文を知らないので "最初の言葉" が出てこない。次に相手が言っていることがわからない。相手の文化を知らないので会話が本当に浅い部分だけで終わる。そんな経験をしました。まあたかが 10 日程度の海外旅行でしたのでやむを得ないかもしれませんが。

結局英会話については苦手なまま過ぎ、医師 9 年目になった頃、はじめて国際学会(2009 年のシカゴ、米国泌尿器科学会)で発表することになったとき。ここが英会話というか、英語学習のポイントとなりました。ポスターでの発表だったのですが、そのプレゼン 4-5 分のために、4 ヶ月くらい前から久しぶりに本格的に英語、といっても長文読解とかではなく英会話に取り組みました。英会話スクールに入り、「自分は泌尿器科医でこんな発表をする予定でこんな感じの想定質問があって、こんな感じで応えようと思ってます」みたいなことを伝え、忙しい大学院生活のなかでしたが週に 10 時間以上の英会話(学会で役立つフレーズなどを中心に)に取り組みました。

そして迎えた本番。英語で発表する、というのはこんなにも緊張するものなのか、というくらい心臓がバクバク言っていたのを今でも覚えています。「若い年齢の患者さんに発症した腎がんは高齢者の腎がんよりも予後(治療したあとの経過)が良好である」というひとつのテーマの発表だったのですが、その根拠になるデータを説明し、解析方法を明らかにし、今回得られた結果に至った要因などについても触れて今後の研究についての方向性を示しながら終了、という(用意した原稿をアタマの中に完璧にたたきこみ、英会話スクールの先生が繰り返し矯正してくれた発音のおかげで)流れるようにプレゼンは終了しました。

しかし国際学会での発表はここからが本番といってもよいもので、続いて始まる「質疑応答」がなかなか難儀です。発表するだけなら覚えた文章をただアウトプットするだけでよいのですが、質疑応答は「その場にいる先生方(米国泌尿器科学会のような大きな学会だとポスター会場といってもざっと 100 名くらいはいたりする)が自分のプレゼンを聞いてどんな質問をしてくるかわからない」というところがリスニング下手の日本人にとっては大変なストレスで、その質問を聞き取れなければ、そもそも答えられません。しかも学会ですから、「もう一度ゆっくり言ってください」を何度も繰り返すわけにもいきません。質問の意味を取り違えて、まったく違う答えをしてしまう可能性もあります。

そんなわけで、この最初の国際学会に向けては「こんなことを聞かれるのではないか」という想定質問を大量に作りました。「どうしてこの年齢で分けたのか」「組織型による違いは考慮したのか」「若年者で予後が良い理由をどう考えるのか」「選択バイアスではないのか」などなど。

それぞれについて英語の質問文を作り、それに対する回答も準備し、スクールで何度も練習しました。そして、発表を終えると案の定、米国の名門、クリーブランド・クリニックの Dr. Desai が手を挙げて質問してきました。このドクターはインドのご出身で、英語もいわゆる「インド訛り」でしたので日本人にとって聞き取りやすい英語ではなかったのですが、緊張しながらその英語を聞いていると――。

「あ。これ、想定問題で練習した質問とほぼ同じだ」。

大学受験でいうところの「過去問とほとんど同じ問題が出た」状態です。かなりのビギナーズラックでした。質問の内容が理解できただけで一気に緊張がほどけ、準備していた答えをほぼそのまま返すことができました。相手の先生も納得したようにうなずいてくれ、無事に初めての国際学会発表を終えることができました。

「なんだ。意外といけるじゃないか」終了直後は、そんな気持ちになったのを覚えています。

・・・ただもちろん、世の中そんなに甘くありません。その翌年の 2010 年、欧州泌尿器科学会で発表できる機会を得たのですが、ここでは大きく失敗してしまいます。

それについてはまた明日。

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