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来月から義務化される "〇〇症 対策" といまだ日本で発令したことはない "◯◯症特別警戒アラート" について確認しておきましょう。

[2025.05.05]

地球温暖化の影響により、ひと昔前と比較すると、近年の夏の暑さは異常とも言える状況が続いています。猛暑に伴い急増しているのが「熱中症の発生」であり、熱中症関連での労働災害は深刻な問題となっています。熱中症による死亡者数は 2023 年は 1,651 名。2000 年は 207 名だったことを考えると、やはり相当注意して予防すべき疾患です。こうした実態を受け、2025 年 6 月 1 日より、企業における熱中症対策が罰則付きで義務化されることになっています。院長は産業医業務を複数の企業様で行っているのでこの義務化は労働環境整備上、極めて重要です。さっそく改正法の概要を確認しておきましょう。

まず、労働環境を整備することを目的に制定されている「労働安全衛生法」。この法規、第 22 条は次のようです。「事業者は、次の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。」この第二項に「放射線、高温、低温、超音波、騒音、振動、異常気圧等による健康障害」とあり、今回の義務化はこのなかの「高温」に対する対策となります。近年の気温上昇による措置です。今回の義務化は同第 27 条、 「第 20 条から第 25 条まで及び第 25 条の 2 第 1 項の規定により事業者が講ずべき措置及び前条の規定により労働者が守らなければならない事項は、厚生労働省令で定める。」という条文が根拠になっており、事業者は適切に対応しないと罰則が課せられることになりそうです。

具体的には 3 つ。

まずひとつ。事業者は、暑熱な場所において連続して行われる作業など「熱中症を生ずるおそれのある作業」を行うときは、熱中症を生じた疑いがある作業従事者を発見した者に、その旨の報告をさせる体制を整備しなければなりません(改正規則 612 条の 2 第 1 項)。また、事業者が整備した熱中症患者の報告体制は、作業従事者に対して周知させる必要があります。

つぎに。事業者は、暑熱な場所において連続して行われる作業など「熱中症を生ずるおそれのある作業」を行うときは、あらかじめ作業場ごとに、以下の措置の内容および実施手順を定めなければなりません(改正規則 612 条の 2 第 2 項)。

事業者が定めるべき熱中症の悪化防止措置として以下 4 つ。

・当該作業からの離脱
・身体の冷却
・必要に応じて医師の診察または処置を受けさせること
・その他熱中症の症状の悪化を防止するために必要な措置

さいごに。事業者が定めた熱中症の悪化防止措置の内容および実施手順は、作業従事者に対して周知させる必要があります。

以上より、「まずは熱中症が起こったらすぐに上長や管理者への連絡体制を整備し、労働者に周知させる ⇒ (当然のことですが)熱中症を起こさせないように十分配慮して労働環境を整え、もし起こってしまったら熱中症の応急処置について知っておかなければならない ⇒ 上記のような応急処置についてはその内容を労働者に周知させる」ということです。

これをみると、やはり大事なのは 2 番目の「作業環境の整備」になると思います。具体的には下記のようにする必要があるでしょう。

・作業時間の短縮とプレクーリング(作業前に体を冷やしておいて体温を低めに保って熱中症リスクを低減させること)の励行
・暑熱順化(体が暑さに慣れること)がスムーズに行われるように工夫
・労働者任せにしない、上長などからの積極的な水分や塩分摂取の励行
・服装管理(もう真夏にスーツにネクタイはやめましょう!われわれ医師たちも 6-9 月の学会場にジャケット着てくるのをやめるべきと本気で思います)

あとはもちろん毎日睡眠や食事をしっかりとる、ですがこれはもうひとりひとりがしっかりやってくれるのを期待するしかないと思いますので個人で管理するよう促しましょう。

ここまで気温上昇が続くと "これまでに 1 回も発出されたことがないあるアラート" がいよいよ出るのでは、と考えてしまいます。それが「熱中症特別警戒アラート」。これは 2024 年 4 月、すなわち昨年から創設され、運用開始されました。熱中症特別警戒アラートが発表される場合は、"過去に例のない危険な暑さが予測され、人の健康に係る重大な被害が生じるおそれ" があるときです。ちなみによく出るのは「熱中症警戒アラート」で「特別」という言葉がついておりません。この特別警戒アラートが出されてしまうと野外イベントはもちろん、野外で行う労働もかなりの業務で停止しなければならなくなります。こうなると農業・建設業はもちろん広くサービス業にいたるまで、経済活動に大きな影響が出ます。

まだ 5 月ですが 25 ℃ を超える日がもう終わった日も含めると 3 日程度ある、と月間予報で出されています。当院がある秦野市は盆地で夏の暑さがなかなかハンパない感じです。院長の早めに夏の暑さに耐えられるような対策(1 日に 1 回はしっかりと汗をかくくらいの運動をする、睡眠時間を一定にして日々の休息を安定化させる、あえて温かいものを食べて今から適切に発汗できるようなカラダにしておく、などいろいろ)をしておきたいと思います。ホットヨガとかサウナとかを日々のルーティンとして利用できるともっとよいと思うのですがなかなか・・・。でも急がば回れ、ということで毎朝なんとか早起きして縄跳びしたり剣道の素振りや形(かた)の稽古をしてカラダを少しずつ夏の暑さに慣れさせたいと思っている院長でした。

明日は「誰でも簡単にできる熱中症の重症度診断法」と「真夏になる前に知っておきたいカラダを(適度に)冷やす食べ物(薬膳的な視点から)」について書いてみたいと思います。

とにかく皆さま一緒に気をつけましょう!屋内でもなることあるし、ペットもなるので家族みんなが仕事や学校に行っているときも家でネコやイヌがいる場合は真夏のエアコン必須ですよー!

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