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現代にも通じる日本最古の医学書-『医心方』

[2024.07.01]

オリジナルが海外で始まり、独自の発展を遂げるーというのは日本の歴史ではよくあることです。キリスト教のクリスマスにお祝いし、神道である神社で初詣を済ませ、仏(ほとけ)や如来の死である仏滅の結婚式を避けるー日本はどんなものも取り込み、造り変えてしまうのです。この「造り変える力」というのは芥川龍之介が日本人について書いた小説『神神の微笑』で出てくる表現で、日本人の特性を極めて端的に表していると思います。

昨日紹介した日本最古の医学書、『医心方』もそんなところがあります。この書物が著された 982 年、すでに本国である中国では既に失われていた医学書(例を挙げると『病源候論』など。原文はもう誰にもわかりません)がこのなかで要約され紹介されているなど、医学史的には極めて価値が高いものになっています。当時の文明先進国、中国の知識が日本で生き残っていたわけです。

そのなかにある『房内篇』で、房中術(男女の性に関する営み)に関する内容が詳述されています。そのなかで男尊女卑と思われがちな平安時代の書物ですが「房内の男女は心から打ち解け和やかに睦み合い、求め合わねばならない」とし、特に男性が「女性を無理やり従わせることを強く戒め」ております。また、性的な快楽のみを求めると身体の機能が必ず損なわれるとされています。現代にも通じる記述ですね。

院長は漢方を勉強していますが、漢方はすなわち医学史を勉強することとニアリーイコールの面があります。歴史好きの医者として、院長は趣味をかねられる東洋医学の勉強をこれからも忙しい日々のなかで少しずつ積み上げていきたいと思います。

写真は株式会社ツムラのウェブサイトより。日本の医学史が簡潔にまとまっているサイトです(https://www.tsumura.co.jp/kampo/history/)。

 

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