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米国で初めてブタの腎を移植された患者さんの "転帰"

[2024.07.30]

「転帰」という言葉をご存知でしょうか? 耳慣れない言葉ですが、医療の世界では「ある治療などを行ったあとの結果」のことです。学会の症例報告などで「この患者さんの転帰ですが、◯◯ の治療後 2 年間再発せずに経過中です・・・」などのように使います。

今年 4 月 7 日のブログで「ブタ腎臓をヒトに移植した患者さんが無事退院!」という記事を紹介しました。これがうまく行っていれば腎移植が必要な患者さんに大きな光明になるところでした。しかしこの患者さん、残念ながら術後 2 ヶ月で死亡された、というほうどうがありました。

原因は移植そのものではない、ということですが、これからおそらく解剖により組織学的な検討がなされることになると思います。

ここで「やはりブタなどの異種移植は無理」と考えるのか、「この結果を活かしてさらに有望な方法を開発して次は必ず捲土重来を」と考えるのか、こういった岐路についてどちらが正しいのかは歴史が証明するしかありません。

ただし 4 月 7 日のブログでもあったように「倫理審査などをしっかり行う」ことが何よりも重要で、腎移植に直接関わるスタッフだけではない外部からも意見を聞くことで今後「現時点で最も妥当」な選択がなされることになると思います。

ちなみにこの移植に深く関わっている日本人医師がいます。東京女子医科大学腎臓病センター准教授からマサチューセッツ総合病院にスタッフとして行かれ、現在ハーバード大学医学部の教授をつとめる 河合達郎 先生です(https://www.massgeneral.org/doctors/16908/tatsuo-kawai)。是非泌尿器科や移植の学会で河合先生から直接今回の経過などについてどうであったか聞いてみたいですね。

 

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