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米国医療保険のお世話になるのは(金銭的な面で)少し躊躇します・・・

[2024.12.21]

12 月 17 日、ニューヨークマンハッタンで医療保険大手ユナイテッド・ヘルスグループ CEO のブライアン・トンプソン氏射殺される、という事件が起こりました。この事件の容疑者、ルイジ・マンジョーネ被告(26)はソフトウェアエンジニアで出身はペンシルバニア大学。これはトランプ次期大統領と同窓です。

痛ましい事件ですが、このマンジョーネ被告、米国では一部の支持者から "ヒーロー" 扱いされているとのことです。

これは米国の医療保険事情が大きく関わっており、日本とその状況は全く異なります。米国の医療保険についてごくごく簡単に列記していきます。

・医療が "ビジネス" と考えられており、基本的にすべて自由診療扱い。ある調査会社によると米国内での胸部レントゲンの検査費用が $120〜$1550 と実に 10 倍もの価格差があったということです

・簡単に医者にかかったり医療と関われないのでいわゆる風邪や怪我では自分で薬局などの市販薬で治す。そのため病院を受診するときは重症となっていることが多く、「医療のお世話になる = 高度な医療サービスを利用する」となってしまい、ただでさえ高額な医療費がさらに高くなる

・国民の 50% は民間医療保険に加入しているが、医療を受けたときに「保険が降りない確率」(=拒否率)が非常に高く、17% という統計がある。すなわち 6 件に 1 件は「保険がおりない」。保険がおりたとしても全額まかなわれるケースは 20% 程度、という報告もあり、80% 近くの医療行為が保険でカバーされない

・・・という、日本とだいぶ異なる状況があります。

この殺人事件はアメリカにひとつの大きなクエスチョンを投げかけています。健康保険という、被保険者を守るためのものが保険会社に営利を得るためのものになったままでよいのか?ということです。

医療が国民の幸福にとって極めて重要なインフラであることは日本にいるとなかなかわからないかもしれません。いつでもフリーアクセスで医療機関に比較的安価な負担でかかれるこの国民皆保険制度。これは海外と比較すればすぐに気づく素晴らしいシステムです。この先も日本国民がこの制度を可能かぎり維持していくよう努力していくことを一臨床医として願っています。

明日は日本の医療がすべて自由競争になったら・・・という if を考えてみたいと思います。

このスライドは厚生労働省のウェブサイトより。

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