院長が医師になって 10 年以上あまり経験がなかったのですが、最近院外処方箋を受けてくれる薬剤師の方から「◯◯ はいま欠品で・・・」と言われることが少なくないです。
春になってもインフルエンザ・コロナと診断される患者さんがまあまあいらっしゃいます。院長もそうですが、ヒトは「GW だ!明日からゆったりできる♫」と気が緩むと体調を崩したりしがち。不思議と「休めるときこそ風邪をひく」なんてことがありますのでどうか皆様連休を楽しくお過ごしください。
さて、少し前に終わった今冬、以前ほどではありませんが、「咳止めが不足」「去痰剤の流通が滞っています」みたいな事態が若干みられました。幸い、西洋薬のかわりになる漢方薬の流通はあまり支障がなかったのでなんとかなりましたが、昨年はわれわれ泌尿器科医にとって極めて重要な疾患である尿路結石症に使う薬、ウロカルンも限定出荷となりました。これはしばしば「眉唾」と言われることもある「尿路結石排泄促進薬」です。眉唾、というのはこの薬によって結石の排泄が促進された、というはっきりした根拠となる論文やデータが乏しいからです。
しかしながらこれは 1969 年の発売、すなわち世に出てからすでに半世紀以上が過ぎているので、当時の臨床研究・開発の状況を考えるとやむを得ないことかもしれません。ただ臨床の現場ではプラシーボ効果かもしれませんが「この薬を内服してから結石が出て楽になった」と言われることがあり、泌尿器科開業医としてはある程度の必要性がある処方です。
そんなウロカルン、原薬がウラジロガシという植物の葉なのですが、昨年限定出荷となったのには、2023 年降水量不足などの天候不順要因のせいで製造販売会社である日本新薬さんが安定出荷のための十分な量を確保できなかった、という事情があったようです。漢方薬にしてもこういった尿路結石薬にしても、また一部の抗がん剤などについても植物を原料とするケースはかなり多く、この場合は自然環境にある程度は左右されます。尿路結石症であれば内科的な薬物治療だけでなく、むしろ積極的に結石破砕などの外科的治療、すなわち手術による治療考えることや、そもそもかからないように生活習慣の改善などの予防医療を充実していくことが今後必要になっていくと思われます。
ただし、なぜ 1o 数年前にはほとんどなかった「クスリの安定供給が難しい」みたいな事態が出てきたのか。これはひとつの原因だけではないのですが、ひとつ厚労省が設定してくる薬価の設定方法に一因があると考えています。
このことを読み解くのにひとつのヒントになるのが、最近薬局で購入できるクスリのコマーシャル用語として頻用される「医療用と同じ成分」という文言です。有名な咳止めである「メジコン」は西島秀俊さんや山本美月さんといった、人気のある役者さんを広告塔としてこの文言でクスリを売り込んでいます。
明日はそのことについて、薬価改定の構図に触れながら私見を述べたいと思います。今日と明日は内容マジメ。
