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院長が新刊を待ち望んでいる歴史漫画を紹介ーその 2

[2024.12.18]

ときどき「戦国大名に学ぶ経営学」とか「戦国武将の生き方をみて人生を考えよう」みたいな記事をみることがあります。もちろんそういった「どんなものからも学ぶ姿勢」というのは重要でなるほどと思うこともあります。ただ一方で、「たった一回の戦闘で生きるか死ぬかの毎日を生きている彼らと、事業などで大きなお金の失敗をしてもとりあえずただちに命を失うことは少ないわれわれを比べるのは戦国武将に失礼だろう」と感じる面もあります。・・・というわけで院長は歴史ものを読んだり勉強したりするとき、先人が歩んできた道や事績を「勉強させていただく」つもりで行っています。

そんな日本史のなかで最も大きな "天下分け目" イベントのひとつが関ケ原の戦いですね。院長が大好きな『センゴク』の続編というかスピンオフドラマとして連載されているのが 宮下英樹 先生の『大乱 関ケ原』(現在 4 巻まで発刊)。

なんとなくイメージとしては「実力も経験も人望もある徳川家康が合戦前の周到な根回し(小早川秀秋の裏切りなど)によって実際の戦闘前に勝っていた・・・」的な感じかもしれません。しかしながら実際は後継者である秀忠の遅参やどう動くか予想しづらい秀秋の親戚筋である吉川広家の存在など、不安要素だらけの戦闘であったのが真実のようです。

スケールは大変小さいたとえになりますが、この気持ちは院長が手術を執刀していた頃の手術前日と共通するものがあります。勤務医時代、手術の前日夜は、ベッドに入ってから「執刀開始から閉創まですべてを想像してイメージのなかでは無事終了する」までのプロセスを確認してから寝るようにしていました。しかしながらどんなに手順を繰り返しアタマのなかで確認しても、やはり不安は残り、結局当日手術が終わるまで一定の緊張状態が続きました。医師になって 20 年以上経ってもそのくらい緊張するほど、人体というのは未知の部分があるものだと実感しております。

先に述べたように、一泌尿器外科医の手術と本邦有数の偉人の天下統一がかかる一戦とを単純に比べるのはおこがましいことですが、家康の気持ちをほんの少し「勉強させていただいた」経験であったと思います。

現在自ら執刀して全身麻酔手術に参加する、ということはありませんが、その分外来診療にむけて不断の準備を行うことを心がけております。本日も多くの患者さんが来院してくれました。明日は休診日ですが、空いている時間を利用して最近入手した『CKD(慢性腎臓病) 診療ガイド 2024』をおさらいしたり、漢方の専門医受験用の症例をまとめたりと、日々の診療に役立つよう研鑽を重ねてまいりたいと思います。・・・もちろんときどきは休んで英気を養いつつ、ですが。

Kindle で読んでいます。スマホだとせっかくの緻密な絵が十分味わえないのでなるべく大きな画面で。

 

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