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院長は明日から(おそらく) 1-2 週間ほど "ヘッピリ腰" になります・・・(;_;)。

[2025.08.31]

昨日少し腰が痛い、と言いながらブログを締めくくりましたが、その後腰痛は増強して「臥位 ⇒ 立位」・「座位 ⇒ 立位」になるのが厳しいほどになってしまいました。われわれ医師が診断するときは大きく言うと "急性腰痛症" 、細かく言うと "筋筋膜性腰痛" とか "椎間関節症" とか "棘間靭帯炎" とか "棘上靭帯炎" とか、相当微に入り細に入り、みたいな病名になります。いわゆる "ぎっくり腰" と総称される病態です。そういえば院長が研修医の頃、まだカルテが紙媒体でドイツ語で記載する先生がいました。その先生が当直中にぎっくり腰が発症した患者さんについて、 "Hexenschuss" と記載されていたのを覚えています。これはドイツ語で「魔女の一撃」という意味で、ぎっくり腰を指します。最近は遊戯王のカードでこういう名前のものがあり、"かなり強いカード" だそうです。

この Hexenschuss、今回院長ははじめて罹ったのですが、たしかに "かなり強い" ですね・・・。常になにかに捕まっていないと強い痛みが腰を襲います。これまでトイレや階段の手すりなど使ったことがなかったのですが、昨日今日ではじめてそのありがたみが実感できました。あと、バリアフリーって大事。

さて、自分がこれだけ苦しんでいる腰痛。せっかくなので一度まとめてみよう、ということで痛みをこらえて学んだことを記載してみます。腰痛は日本国内で 3000 万人(4 人にひとり!)くらいが経験する極めてありふれた症状のひとつです。是非一読のうえ、「こういう腰痛があったら放置せずにちゃんと受診しよう」と思っていただけたら嬉しいです。

まずは腰痛を 3 つにわけ、それぞれについて考えるとアタマが整理しやすいです。

  • 生命を脅かしたり長期の後遺症につながることもあるコワいもの
    • 骨折にともなうもの(特に高齢者の転倒)
    • 腹部大動脈瘤にともなうもの(高血圧があると一応念頭に)
    • 下肢のマヒや排便排尿障害をともなうもの ⇒ 神経圧迫を疑う
    • 整形外科領域の感染症にともなうもの(脊椎脊髄炎・腸腰筋膿瘍など)
    • がん にともなうもの(骨転移は前立腺がん・肺がん・乳がん・乳がんなどが多い)
  • 膝下まで達する坐骨神経痛をともなうもの
    • 臀部の坐骨神経出口部で疼痛確認
    • 大腿四頭筋力評価(患側足で椅子から座位 ⇒ 立位 をするときに片足で立てなければ陽性)を行い、膝下までの症状があれば整形外科へ
  • 非特異的な腰痛(いわゆる今回のようなぎっくり腰的なもの)
    • 80% くらいは自然治癒(ただし長いと月単位)
    • 以前は「なるべく安静」であったが現在は否定されており、長期臥床は薦めず「痛み止め投与しながらなるべく日常動作を続ける」方針で。
    • 以前は「硬いベッドのほうがよい」という俗説があったがこれもエビデンスなし(どころかおそらく悪化する)
    • 温めると症状改善しやすいので湯船にしっかり使って痛みを和らげる

以上のようにまとめてみました。つまりあと 1-2 週間(長いと 1 ヶ月)くらいは、症状としては軽くなっていくと予想されるものの、院長の腰痛は持続すると予想されます。

日々 2 つの診察室を行き来しながら診療している院長ですが、明日からその移動スピードが落ち、診察の待ち時間がほんの少し長くなるかもしれません。どうかご容赦ください。

予防としては体幹筋アップのための筋トレやストレッチ、ストレス軽減に腰部の負担が少ない椅子の使用など、地味で少しずつ行う、食事栄養指導や運動指導のような方法しかなさそうです。気長にがんばります。

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