最近連日走っております。ただし、距離はそれほど長くせずにだいたい 5.1〜5.3 km。25-27 分くらいかけて有酸素運動としています。これまではなんとなく惰性で走っていたのですが、膝が痛くなってきたり足首に負担がかかってきたな、と感じることが多くなりました。こんなとき、むかしなら書店に行って自分に合いそうな本を片っ端から読む、みたいなことがアタリマエでした。しかし現在は便利ですね。ネットで様々な情報が、わかりやすい動画付きですぐに入手できます。ただ、問題はその情報量。まさに玉石混交という感じで自分にあったものを選ぶリテラシーが必要です。こういったことは「まず取り入れてみて試してみる」しか評価の仕様がないのですが、ランニングは思い立ったらすぐにできるので他のスポーツ(現在ときどきトランポリンをやっていますが、これはさすがに自宅ですぐ試す、というわけにはいきません)に比べて試行錯誤のサイクルが早い。来年 1 月に秦野市の駅伝に秦野北クリニックのチームで出場しようかと画策しております。距離が 5.7 km で結構上り坂がキツいコースなのでその負荷に耐えられるだけの体力・筋力・持久力をつけるべく少しずつやっていこうと思っております。
さて、メンズヘルスについて数日にわたって記載してまいりましたが、とりあえず今回でシリーズ終了です。「テストステロンが大切なのはわかった。ではその値を維持・上昇させるには?」ということに触れてみましょう。これも上記のランニングなどのスポーツと同様で、ただ漫然とやっていてもなかなか増えません。今回は、男性における活力の源であるテストステロンをどうやって上昇させるのか、その具体的な方法について紹介してまいります。ただしこれらは(どんな治療もそうですが)万人に共通して有効、というわけではありませんので試行錯誤するうえでの参考、と考えるようにしてください。
1. そもそもテストステロンが下がるとどうなる?
「テストステロン」と聞くと、ムキムキの筋肉や性欲をイメージする方が多いかもしれません。もちろんそれも正解ですが、実はもっと広範囲に私たちの心と体に影響を与えています。,
テストステロンが低下すると、以下のような症状が現れることがわかっています。
- 心の不調: 意欲や集中力が欠ける、不安感、イライラ、うつっぽい気分。,
- 体の不調: 疲れやすい、筋力の低下、お腹が出てくる(メタボ)、あちこち痛む。,
- 性の不調: 性欲の低下、朝立ちの回数が減る、勃起力の低下。,
特に、「いわゆる朝勃ち回数の減少」は分かりやすいサインです。もともと男性は睡眠中に何度も勃起(夜間睡眠時勃起)を繰り返して、陰形に新鮮な血液を送り込んでいます。 これが週に 1 回もないことに気づくようなら、テストステロンが下がっているサインと言ってよいでしょう。また、テストステロンが低いと、心臓病やガンの死亡率、全死亡率が高くなるという後ろ向き研究の結果もあります。こういったことを考えると、テストステロンの維持・向上は、単に「元気が出る」だけでなく、「健康で長生きする」ための鍵といってもよいかもしれません。
2. 最強の対策は筋トレ。特にスクワットがよさそうです
「テストステロンを上げたいなら何をすべきか?」という問いに対して、真っ先に挙がるのが「筋トレ」です。なぜ筋トレが良いのか。筋肉が増えると、その一つ一つの筋線維にある男性ホルモンの受け皿(受容体)が増えます。すると脳が「もっと男性ホルモンを出しなさい!」と命令を出すようになり、分泌が促されます。特におすすめなのがスクワット。人間の体で一番太い筋肉は太ももの筋肉(大腿四頭筋など)です。 効率よく筋肉量を増やすには、この大きな筋肉を鍛えるのが一番の近道。「忙しくてジムに行く暇がないよ」という方は、日常生活に組み込んでみましょう。
- 歯磨きスクワット: 朝晩の歯磨きの最中はなるべくずっとスクワット(フロスを使っているとき夢中になりすぎると歯グキから出血することもありますが・・)
- エレキャン(エレベーター/エスカレーター・キャンセル): 階段を積極的に使う。院長は 12 階(大学病院で勤務していたときの泌尿器科病棟がこのフロアだった)
- 会議などで座っているときはなるべく両足を床から浮かしておく(院長はよく外来診療中にやっています)
まずは上記のような小さなことでもよいので「継続」が大事。 ハードなワークアウトでなくても、コツコツ続けることで、数値の改善に繋がる可能性があります。
3. 「テストステロン・フード」で内側から攻める
食事も非常に重要です。スタミナ料理の代表格、ニンニク、ニラ、長ネギ。 これらに含まれる「アリシン」という成分がテストステロンを上げてくれます。
ただし、アリシンは熱に弱いのが欠点。 そこで最強の味方となるのが豚肉などのビタミンB1です。 アリシンとビタミンB1がくっつくと「アリチアミン」という熱に強い物質に変わり、吸収率もアップします。 つまり、「レバニラ炒め」や「餃子」「豚キムチ」は、理にかなった最強のテストステロン・フードといえるでしょう。もう一つ欠かせない栄養素が「亜鉛」。亜鉛はテストステロンの産生に深く関わっており、不足すると数値が下がってしまいます。牡蠣(カキ): 亜鉛含有量は断トツ、オイスターソース: 毎日の料理に使うのが手軽でおすすめ、豆やキャベツ: 意外かもしれませんが、これらも亜鉛摂取に役立ちます、これらを意識するとよいと思います。また、ビタミンD も重要です。 日光浴が最も自然な生成法ですが、鮭などの魚から摂取したり、サプリメントを頼るのも良いでしょう。ビタミンD のサプリは当院でも 1 日 28 円ほどの安価で購入できるものがあるので不足していそうなひとは利用しやすいと思います。
4. 生活習慣のちょっとした工夫
食事と運動以外にも、すぐに実践できることがあります。
- しっかり寝る: テストステロンは寝ている間に作られ、朝にピークを迎えます。 睡眠不足や徹夜は厳禁!2 日徹夜するだけで数値がほぼゼロになるという動物実験結果もあります。,
- 笑う機会を増やす: コメディ映画を観て笑うだけで、テストステロンが上昇するという研究があります。感情を豊かに、コミュニケーションを楽しむことが大切です。
- お酒はほどほどに: 少量のアルコールはリラックス効果もあり、テストステロンに良い影響を与えることがありますが、深酒は翌日の数値をガクンと下げてしまいます。
- 夕方以降のカフェインを控える: 睡眠の質(特にレム睡眠)を高めるために、夕方以降はコーヒーなどを控えましょう。
テストステロンは、男性の「健康寿命」を延ばすための大切なパートナーです。 「もう若くないから」と諦める必要はありません。今日からスクワットを 10 回でもよいから始め、夕飯にニンニクたっぷりの肉料理を食べ、ぐっすり眠る。そんな小さな積み重ねが、あなたを再びエネルギッシュな毎日に引き戻してくれるかもしれません。ただし、いわゆる男性更年期ではなく、うつ の方、また甲状腺など他のホルモンに関わる疾患での活力低下も当院で経験したことがあります。なにか症状があってそれが続く場合、ネット情報のみで安易に「たぶん ◯◯ だろう」と自己診断せず、是非医療機関への受診をご検討ください。症状だけではなく検査ならびに診断的治療などにより多角的に評価いたしますので。
