院長が新刊を待ち望んでいる歴史漫画を紹介ーその 1
歴史っていいですねぇ。なにかを学ぶとき、そのすべては先人のしてきたことを振り返ることとほぼ同義です。すなわちすべての学問は歴史を学ぶこととニアリーイコールな気がします。
そんな歴史大好き院長が現在気になって仕方がない漫画のひとつが ゆうきまさみ先生の北条早雲が主人公の漫画、『新九郎、奔る!』です。かつては 88 歳の長命であったとされた北条早雲も、最近の研究で 64 歳で亡くなった、という説が濃厚のようですが、この作品は後者の説に基づいて描かれています。
とにかく当時の将軍とその周辺の様子が手に取るようにわかるほど緻密な描写がすばらしい。自分があたかも新九郎と同時代にタイムスリップして同座している気になるようで。また、登場人物の描き分けがものすごく上手ですね。これは絵ももちろんそうなのですが、雰囲気もそうなので説得力が半端ないです(個人的には「ムッシュウ」と人をからかって呼ぶ太田道灌資長の顔が大好き)。
昨日最新刊の 18 巻を 3 回も繰り返し読み、1 回 1 巻に戻って文政の政変(将軍足利義政の傅役として権力を振るっていた、新九郎の一族である伊勢氏の棟梁たる貞親が失脚する事件)の頃の足利義視を見返してまた戻って 4 回目を読んでしまいました。
この時代はとにかく英雄不在。将軍は政治よりも自分の趣味に走る(まあこれが現在日本の「和室」のはじまりともいえる東山文化を創るのですから一概に悪いとも言えないのですが)。将軍の息子(9 代将軍義尚)は大御所(8 代将軍義政)の影響から逃れるために計画性のない六角氏討伐の軍を起こしそのまま遠征先で死亡、御台所(日野富子)は自分の好悪で義尚の後継者を選び、莫大な蓄財をして敵にお金を貸す・・・世も末、という言葉がありますがまさにそんな時代でした。
そんななかで律儀で融通のきかない新九郎が徐々に主君や上役から命じられたことだけでなく、徐々に自らの信念や理想を掲げて関東に覇を唱えていく様子(最新巻では全くそこまで行っていないのですが)は心から応援したくなってしまいます。
そんな新九郎、早雲の健康法について述べてある文章を読んでみました。在野の歴史研究家が書いたものですが、早雲が漢方で院長もしばしば用いる生姜を当時から服用していたらしい、とのことでした。
秦野から程近い小田原を本拠地とし、戦国大名として 100 年の安寧を築いた英雄、北条早雲。今晩は早雲が活躍した 500 年前に思いを馳せながら眠りたいと思います。
おやすみなさい。
明日は本日に続き、超大作『センゴク』の続編、『大乱』について熱く語ってみたいと思います。