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1 枚の画像で患者さんが「?」から「!」 に。

[2024.06.05]

院長が医師になった 2001 年、画像はすべてフィルムでしたし、カルテはすべて紙でした。そのため診療経過や入院歴が長い患者さんは非常に膨大のフィルム・カルテページだったのを覚えています。

2005 年頃から CT をはじめとする画像はすべて PC 画面で閲覧するようになり、さらにカルテはすべて電子カルテになりました。

そのときに CT 画像をマウスのスクロールホイールを操作することでわざわざシャウカステン(X 線写真などを提げて評価するためのライトボックス。よく昔の医療ドラマに出てくるあれです)にかけて目を凝らしながら見る必要がなくなった喜びを今でも覚えております。

その後、昨日のブログで書いたように富士フイルムメディカル社の Synapse Vincent(シナプスビンセント)という、3D 画像解析アプリケーションを使用できるようになり、

 

上図矢印のような腫瘍(左腎がんの症例です)を

こんな画像で評価できるようになり(上と同じ症例です。黄色が腫瘍で赤が動脈、青が静脈、緑が尿路です)ました。これにより以下のようなメリットがありました。

  1. 術前評価がより詳細に行えるので、以前より緻密な手術シミュレーションが可能
  2. 外科医以外のスタッフが「どのような腫瘍を切除しているのか」を共有できるので(特に麻酔科医が)手術の進行具合を把握しやすい
  3. 患者さんに説明するときにわかりやすい

です。

特に 3 番目は重要で、この画像を術前説明に使用することで「なるほど。ここにこのくらいの大きさの腫瘍があるんですね」と言われるようになり、患者さんの表情が、以前は「?」という感じだったのが「!」という感じになりました。

3D 画像とくれば次は 3D モデル、ということで明日は画像から 3D プリンターを使って臓器モデルを作ってみた、という話をさせていただきます。

さらに明後日は「(患者さんに)わかりやすい」ってどういうことか、について私見を述べたいと思います。

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