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2027 年 3 月より一部おくすりの薬価自己負担額が変更になりますが、その対象品目がそこそこ多いので、するときに患者さんへの説明漏れがないよう注意が必要になります。

[2026.01.22]

高市首相になってから、政治的なことがニュースになることが今まで以上に多くなった気がします。個人的には若いひとがもっと選挙に行かないと、様々な団体の組織票が相対的に強くなってしまい世の中なかなか変わらないので、政治がトピックになることは良いことだと思います。

そんな政治・政策に関連してひとつ話題を。開業医であるわれわれが気にしているトピックのひとつが「OTC 類似薬 77 成分対象に保険外負担を求める制度」が新しくできるさことです。日本医事新報社のウェブ記事(https://www.jmedj.co.jp/blogs/product/product_27879)によるとー(以下引用)

政府は(2025 年)12 月 24 日、OTC 類似薬 77 成分・約 1100 品目について、通常の自己負担とは別に保険外負担(特別の料金)を患者に求める新たな仕組みを創設することを決めた。特別料金の水準は「対象薬剤の薬剤費の 4 分の 1」とし、2027 年 3 月から実施する。2027 年度以降、対象範囲の拡大とともに薬剤費の割合の引上げについて検討する。

新たな仕組みの創設は、混合診療を例外的に認める保険外併用療養費制度の中に創設する。12 月 19 日の自民党と維新の会の政調会長間合意に基づき、片山さつき財務相と上野賢一郎厚労相が 24 日の折衝で正式決定した。

特別料金の対象となる77成分の医薬品は「OTC医薬品と成分・投与経路が同一で、1日最大用量が異ならない医療用医薬品」を機械的に選定したもの。厚労省が25日の社会保障審議会医療保険部会で示した 77 成分の一覧には、解熱消炎鎮痛剤のロキソプロフェンや血行促進・皮膚保湿剤のヘパリン類似物質、抗アレルギー薬のフェキソフェナジンなどが含まれている。

1. 子ども、2. がん患者や難病患者など配慮が必要な慢性疾患を抱えている者、3. 低所得者、4. 入院患者、5. 医師が対象医薬品の長期使用等が医療上必要と考える者(太赤字は院長による)─などは対象患者から除外し、特別料金を徴収しない方向。

片山財務相と上野厚労相の折衝では、OTC 類似薬の保険給付見直しと併せて、食品類似薬の保険給付見直し(経口による食事から栄養補給可能な患者に対する使用は保険給付外とする)や、長期収載品の選定療養の拡大(先発医薬品と後発医薬品の価格差の4分の1相当から2分の1相当に引き上げ)、長期処方・リフィル処方箋の活用(院内掲示を必須要件とする医療機関の拡大)も決まった。

これらの取り組みによる財政効果は、医療費ベースで約 1880 億円減と試算されている。(以上引用おわり)

こういう話題のとき、いつも問題になるのが上記ですと 5. のような「医師の裁量で・・・」みたいな部分です。われわれ外来を主な診療場所としているプライマリ・ケア医が診る患者さんは 95% 以上がいわゆる "軽症" の方です。ただ一方で、ときどき来院される "5%" ほどの "(軽症と比較して)中等症、または重症" の患者さんを治療することがあります。こうった場合にどの程度「医師の裁量」が認められるのかを、政府・厚生労働省・さらには医師会などもなかなか明示してくれません。それぞれの現場で「このくらいは大丈夫だろう・・・」という感覚で保険請求すると却下されたりして少しずつ合意形成・・・みたいな流れが多いような気がします。

ただ、最近はレセプト(診療報酬明細書。いわば請求書です。これによりわれわれ医療機関は健康保険組合など保険者に対して診療にかかった費用(診療報酬)を請求します)審査に AI が使われているそうです。それなら審査の判断となるプロンプトが定められているはず。どうしても開示が難しい事例を除き、できればそういった情報は示してほしいものです。

以前も書きましたが、日本の医療保険制度は素晴らしいのですが、適用して長期間(1961 年にいわゆる国民皆保険が始まってもう 65 年!)が経過したこと ・それにともなう社会構造の変化(特に少子高齢化)・医療だけでなく介護・福祉に年金など多岐にわたる社会保障費の負担増など、もはや今のままでの維持は現場の感覚からすると、どこかの退職代行サービス会社ではありませんが、とモームリ、という感じがします。

秦野市では 1/25 に市長選挙の投開票、解散にともなう衆議院選挙は 2 月 8 日と、大きな選挙が 2 つ立て続けにあります。今のところ(テレビや政治ニュースをそれほど観ているわけではありませんが)、医療制度関係のことを争点として訴えている候補者についてはほとんど院長の耳に届いておりません(猪瀬直樹氏など、維新の方の「とにかく医療費を下げろ下げろ」という意見は聞いたことがありますが、なんだかあまり共感はできなかったような・・・)。医療は社会にとって極めて重要なインフラです。現在の制度がボロボロになる前に、大きな選挙の争点として社会全体で議論すべきテーマではないかと日々思っております。

医療の現場からは以上です。

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