やけど
熱傷(やけど)とは
熱傷(やけど)は、熱、日光などの接触によって皮膚・組織が損傷した状態を指し、損傷の範囲や深さにより分類されます。
また、乾燥や感染により状態は変化するため、受傷直後に重症度を判断することは困難です。跡が残らず治るものから全身の臓器に影響が及び、命に関わるものまで様々であり、たかがやけどと思わずに、可能な限り早めの処置を受けましょう。
熱傷の深度
- I度熱傷: 皮膚の表層のみが損傷し、赤みと軽度の痛みが特徴です。
- 浅達性II度熱傷: 皮膚の真皮層の上部まで損傷し、水ぶくれと強い痛みを伴います。
- 深達性II度熱傷: 真皮層の深部まで損傷が及び、水ぶくれと重度の痛みがあります。
- III度熱傷: 皮膚の全層が損傷し、白または黒く焦げた外観になり、痛みを感じないことが多いです。
熱傷の範囲
範囲の計算方法として様々なものがありますが、ご家庭でも簡単にできる方法をご紹介します。
熱傷をした人の手のひら1枚分を1%として、小児や高齢者では10%、成人では20%で入院治療が必要になります。
年齢ばかりでなく持病の有無や熱傷の部位にもよりますが、広範囲かどうかの判断の目安にして下さい。
初期手当
- 洗い流す
石鹸と流水(水温は常温程度)で患部の残留物を洗い流してください。
化学薬品の付着では、やけどが深くなる場合がありますので可能な限り速やかに洗浄することをお勧めします。
水ぶくれ場ある場合は潰できるだけ潰さないよう注意しましょう。
- 冷やす
痛みの軽減と炎症の進行を抑えるため、流水で15~30分を目安に冷やして下さい。
ただし冷やしすぎによる低体温症や神経障害、凍傷に注意して下さい。
処置中の寒気や震え、会話のぎこちなさが無いか確認しましょう。
また、保冷剤では冷たすぎるのと、患部から離す時に表皮が保冷剤にくっつき剥がれてしまうこともあるため、受傷直後の使用はお勧めしません。
- 清潔に保つ
皮膚には外部刺激、ばい菌の侵入を妨げる、いわゆるバリア機能があります。
やけどによる損傷で感染しやすくなるため、患部を洗い流し・冷やしたあとは清潔なガーゼ(滅菌でなくても可)などで覆って下さい。
水疱がある場合はなるべく破らない方が良いですが、もし破れてしまったら皮は剥がさずに傷の上からガーゼで覆いましょう。
- 水分補給
やけどを負うと皮膚の保水・保湿機能が障害されるため、しっかりと水分の摂取をして補う必要があります。
※気道の熱傷や広範囲のやけどなど、口からの水分摂取では困難だったり、補いきれない場合は点滴で補います。
熱傷の深度3,4の場合や、広範囲の熱傷の場合には全身状態が悪化し命に関わることがあるため、できるだけ早く専門医による適切な治療を受けることが必要です。
当院では皮膚科専門医が勤務しておりませんので、必要に応じて他院にご紹介させて頂くことがありますが、お困りの際にはお問い合わせ下さい。