高尿酸血症
痛風について
痛風の診断で必要な検査項目は採血の尿酸値になります。
正常範囲は7.0未満で、性別・年齢による差はありません。
痛風発作(痛風関節炎)とは尿酸値の高値が持続することで、尿酸塩という物質が関節内に発生することで痛みを生じます。
従って、高尿酸血症=痛風というわけではありませんが、高尿酸血症の方が痛風関節炎を生じるリスクはかなり高いです。
痛風関節炎の症状は多くは下肢の関節(とくに親指)に発赤、腫脹、歩けないほどの痛みが出現しますが、7-10日程度で消失します。
痛風関節炎が治まったからと言って、高尿酸血症を放置しておくと、痛風関節炎の頻度が増え、徐々に腎機能が低下し、尿毒症という疾患になり死亡する可能性もあります。
また腎結石や尿管結石などの結石症の発生リスクも高くなります。
そのため痛風関節炎が起きていなくても、高尿酸血症に対する治療を行うことが重要になります。
痛風関節炎の治療方法は鎮痛薬による対症療法を行うことになります。主にロキソニンを使用します。
高尿酸血症の治療方法は内服薬での治療を行います。
定期的に採血を行い、尿酸値を6.0未満を目標に治療を進めます。
生活習慣の改善でも尿酸値は減少します。
特に食事療法と飲酒制限は効果的です。
食事ではプリン体の大きな食品(動物の内臓、魚の干物、乾物など)を避ける。
飲酒制限はビール500ml以下、日本酒1合以下、ウイスキー60ml以下が目安になります。
尿酸降下薬を内服して、生活習慣も改善できた場合に尿酸値が5.0未満の場合は減薬や休薬を検討します。
内服薬を減らすためにも生活習慣の改善をお願いします。