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エンプティカロリー食品に注意しましょう

[2023.08.14]

芸人のサンドウィッチマン、面白いですね。「ちょっとなに言ってるかわからない」というのは広い世代に通じる便利なフレーズとなっています。例えばご高齢の患者さんにも先日冗談で言ってみたところ、ギャグとしてちゃんと通じました。

サンドウィッチマンの伊達さんがときどき「カロリーゼロ理論」で笑いをとるときがあります。ある漫才で「ドーナツは真ん中の一番甘い部分に穴が開いているからカロリーゼロ」と言っていました。

これが本当なら夢のような話ですが、当然そうはいきません。むしろドーナツは最近よくいわれる「エンプティカロリー」とよばれる食品のひとつに数えられることがあります。

エンプティカロリー。「エンプティ=空っぽ」の意味から「カロリーがない」という良いイメージを持たれることも多いのですが、「カロリーは高いのにもかかわらず、ミネラルなどからだに必要な他の栄養素が空っぽ」ということで、実際の意味は全く逆の悪い食品を指す用語です。

たとえばあるコーラ飲料は 500 ml で 225 kcal ですが、その内訳は 糖類と脂質がほとんどでタンパク質やビタミンは全く入っていません。砂糖たっぷりのコーヒーや紅茶も、アタマをすっきりさせる、とか利尿作用などの効用がありますが、栄養学的には同様です。

「お酒は太りにくい」と聞いたことがありますが、アルコールもエンプティカロリー食品です。たしかにアルコールのカロリーそのものはすぐに消費されるため、からだに蓄積されづらいです。しかし、つまみなど同時に摂取したその他のカロリーが消費されず後回しにされるので、最終的には肥満の原因となり得ます。アルコール飲料は糖質が高いものも多く、ビール中ジョッキを 1 杯飲めば 200 kcal ほどになります。さらにアルコールを分解するのに肝内で消費された糖分を補うための「締めのラーメン」のような炭水化物が欲しくなったりします。

食から健康のことを考えるとすれば、やはり昔から日本でいわれている一汁三菜など、おかず中心の食事を心がけるようにするのがよいようです。栄養学はなぜか医学部の系統講義に入っていない(自分の医学生時代はそうでした。今もあまり教えられる教官が少ないと聞いたことがあります)ため、院長も現在鋭意勉強中です。食事について相談したいことがありましたら診察中にお声がけください。当院の栄養士も含めてアドバイスさせていただきます。

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