メニュー

エビデンスを踏まえたタマゴとのつきあい方

[2024.08.01]

「コレステロールが高いから卵は食べないようにしましょう」と言われたことはあるでしょうか。

確かに卵はコレステロールが高く、鶏卵一個(50-60g)あたりの 200-260 mg が含まれます。厚生労働省の基準ではこれまでにコレステロールについて、1 日あたり男性 750 mg 未満、女性 600 mg 未満が推奨されていました。

ところが近年、米国を中心に食物からのコレステロール摂取量・血液中のコレステロール値の相関関係は決して確定的なものではなく、食品によるコレステロール制限は不要、とされガイドラインからコレステロールに関する制限がほぼ削除されました。

日本でも鶏卵のコレステロールに関して、卵の摂取量と冠動脈疾患や脳卒中の死亡率や糖尿病有病率との関連は乏しいという報告や、1 日鶏卵 2 個以上摂取した群とほとんど摂取しない群との死亡率を比べても有意差はみられないという報告があります。

こういったことは医学の世界ではよくみられ、いわゆる「通説」があまりエビデンス(科学的根拠)に基づいたものではなく、「実際に検証してみるとあまり関係がない」ということは比較的経験されます。

ただ、エビデンスばかりを振りかざすのは非常に危険です。エビデンスはあくまでも参考にして最終的な判断は置かれている状況や患者さんにあわせて行われるべきでしょう。

・・・結局、卵は何個食べても大丈夫なのでしょうか。卵は納豆、バナナ、サツマイモなどと同様栄養的に非常に優れた食品です。海外の研究では 1 日に 3-4 個食べても全く問題なし、という結論の論文もあります。

院長の見解ですと、健康な方は 3 個まで、すでに脂質異常症で内服しているような方はせいぜい 2 個までとし、タンパク質摂取のためには卵以外の肉・魚・大豆製品で補うようにするのがよいと思います。

写真は TKG です。この略語がわからない方は https://www.japan-tkg.jp/what/  URL をみてみてください。

HOME

最新の記事

2 年に 1 回初夏にやってくる、医療経営者がとっても気になる "アレ" の骨子が今月中に決まるようです。
昭和・平成と令和で大きく変わったおクスリの CM キャッチコピーとは。
院長の専門からしてどうしても興味が湧いてしまう 1 日に 5-6 回はお世話になる空間。
われわれ医療者は "ベストを尽くします" としかいえませんが、実際に "結果はすべて" とも思ってひとりひとりに向き合っています。
貯金はできないのに借金はかさんでいく、というヒト三大欲求のうちのひとつに関わる生命活動とは。
むかし学生の頃、寝ながら「ストレートで勝負です!」と言った友人がいましたが、彼のあのセリフは明晰夢の最中だったのかいまだ疑問。
ごく短時間の睡眠障害でも大きな事故につながりうるということを(特にこれから年末年始で長時間運転する方は)よく覚えておきましょう。
3〜4 時間睡眠でも「朝起きたときのグッスリ感があるから大丈夫」と思っている方、それ誤解かもしれません。
栄養指導はセルフでやったとしてもこれだけいろいろ考えないといけないので患者さんにキッチリやっていただくのはなかなか難しいものです。
すべての医療者が常に念頭におくべき "適切な医療を実践するためのコンセプト"。

ブログカレンダー

2025年12月
« 11月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  
▲ ページのトップに戻る

Close

HOME