お目当ての出演者はいませんでしたが以前一緒に働いていた先生方の姿を YouTube にアップされていた外科医減を憂う医療系番組で確認できたハナシ。
カズレーザーさん、面白いですね。知識の裏付けがある、瞬発力のあるコメントが好きです。もともと『しくじり先生俺みたいになるな!!』という番組でさまざまな出演者の "しくじり" を勉強するのが趣味の院長。何回かカズレーザーさんが先生として登場して様々なタイトルで授業をするのを視聴しましたが、まあ面白い。ヒトが生きていれば必ず経験する "しくじり" について、そのときの状況を解剖してその原因をあぶりだす、その説明の組み立て方が秀逸でした(結局そういった "しくじり" を勉強してわれわれ人間は生かせてもらっているんだなぁ・・・と詠嘆調になってしまう番組で、ぜひ続いていってほしいと願っています)。最近二階堂ふみさんと結婚したと聞いて、(もともと演技がうまい役者さんと思っていましたが)素敵なお相手を見つけたなぁ、とあまり芸能ニュースに詳しくない院長も勝手に祝福していたところでした。
本日仕事をしていると、そんなカズレーザーさんがレギュラー出演されている番組の動画が YouTube のおすすめに流れてきました。フジテレビの「サン!シャイン」という番組で、動画タイトルが「医師は増えるも「消化器外科医」が 2 割減少...手術できない病院も...厳しい勤務で若手敬遠」というもの(https://www.youtube.com/watch?v=_G4HGGDzhC0)。消化器外科医の置かれている厳しい状況が映し出されており、今のご時世ではこの世界に飛び込もう!という若手の先生は確かに少なくなってしまうんだろうなぁ・・・とぼんやり考えました(書類仕事をやりながらですが)。
院長は自分で消化器外科医になったことがないのであくまで「ハタから見ていて想像するかぎりでは」という但し書きがつきますが、消化器外科医は本当に超人、というのが勤務医時代に一緒に働いていたときの印象です。消化器外科、といっても食道・胃・肝・胆・膵・脾・小腸・大腸の解剖生理に精通する必要があり、さらには鼠径ヘルニア・乳腺・甲状腺、ときには副腎や腎などわれわれ泌尿器科領域についてもいろいろなことを勉強する必要があります。大学病院での研修をおえて初めて赴任した土浦協同病院(三次救急施設で交通外傷など非常に重症の患者さんがバンバン送られてきていました)で、外科医の先生方が夜中遅くでも対応し、翌日も当たり前のように手術をしていたのが思い出されます(泌尿器科だと本当の意味での緊急手術、というのが比較的少ないんです。尿管結石や尿路感染症で手術ではないですが、処置をしなければならないケース、というのは多いのですが)。
しかしながら当時から現在に至るまで、多くの病院で医師の給与というのは診療科にかかわらず年功序列。すなわち皮膚科だろうが耳鼻科だろうが内科だろうが病理だろうが、◯ 年目ならいくら、みたいな給与形態になっているところが多い。最近は少しずつ変わってきていると思いますが、当たり前のように多くもらっている診療科は、院長が知っている限り麻酔科くらいです。一方仕事量は、院長の独断ですが、
内科系・・・1 とすると、
泌尿器科・・・1 で同じくらいなのに対して
外科・・・2 くらいの印象です。
これは、欧米の外科系医師の働き方などを知ったあとにあらためて考えると、やはり日本の医療現場における「手術とそれにまつわるシステム」の問題なのではないかと思ってしまうわけです。このことについて、もう泌尿器外科医としては一線を退いた立場で大変おこがましいですが、明日のブログで考察してみたいと思います。
ちなみにこの動画にはカズレーザーさんが残念ながら出ていません。もうひとつちなみに、この番組は北里大学の外科がフィーチャーされていました。がん研有明病院で一緒に勤務していた先生の顔が数名見ることができ、お元気に過ごされている姿を見られて嬉しかったです。