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”マイナー診療科” をあなどるなかれ

[2024.05.17]

院長は泌尿器科医です。現在はプライマリ・ケア医として様々な患者さんの初期症状を診ていますが、勤務医時代は泌尿器科診療ばかり行っていました。週に 1 回、外勤(アルバイト)先で院長に内科疾患もみてほしいと言われて(最初は気が進まなかったのですが途中から面白くなり)いろいろな症状の患者さんを診る機会に恵まれましたが、ルーツは泌尿器科にあります。

医療業界で時々使われる言葉として、「メジャー科」・「マイナー科」という俗語があります。

メジャー科はいわゆる「大きな診療科」。具体的に言うと内科と外科、ときに小児科などを指します。一方、マイナー科は「小さな診療科」とされる皮膚科・眼科・耳鼻咽喉科など。ここにはわが泌尿器科もくくられます。

メジャー/マイナーと呼称は個人的には好きではありません。MLB だとメジャーが 1 軍、マイナーが 2 軍ですし、内科医と言っても心臓しか診ない循環器内科医や排便については興味があっても排尿には見向きもしない消化器内科医もいて、決してマイナー科と呼ばれる医師が狭い境域しか勉強しないわけではないからです。

しかも泌尿器科は腎臓生理や排尿はもちろん悪性腫瘍など、全身に関わる病態を対象とする診療科です。米国では、泌尿器科医になるには外科医としてのトレーニングを積まないといけないなど、狭き門の診療科です。

開業から 1 年、いろいろな患者さんを診るにあたり、勤務医時代よりも広い分野に勉強の対象を広げました。現在は比較的安価で映像授業が簡単に視聴できますし、開業医仲間のネットワークやわかりやすく書かれた成書もあります。

しかしながら、最も勉強になるのは患者さんの症状について知ることだったり、実際に診察で心音や呼吸音を聴くことだったり、困っていることを患者さんの家族から教えてもらうことだったりします。

何年医師をやっていても結局、「診察室の患者さんが最も優れた先生」ということを日々実感する日々です。本日も 98 名の患者さんが来院してくれました。開業医の役割はすべての患者さんを完治させることではなく(これは残念ながらとても無理です)、症状に困っている方がいたら楽になるような薬を処方する、どの診療科に行ったらよいかわからない方には適切な紹介先を提案する、病院専門医先生方の負担が増えないようにクリニック内で対応できる症状・疾患はきちんと対応する、ということかと思います。

どんな症状でもまずはご相談いただければ幸いです。すべて解決できるわけではありませんが、上記のような対応をさせていただき、少なくとも患者さんの不安を軽減させることだけは約束できる開業医でありたいと思っております。

写真は最近購入した MacBook Pro です。勉強に使いやすい PC は必要不可欠なのでアップルのコンピュータは学生時代からお金に余裕がなくても思い切って買っています。アップル PC としては家族の分も含めてこれで通算 14 台目になりました。なんとなく捨てられず実家にとってあります。

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