院内で救急のワークショップを行いました
皆さんは 119 番通報をしてからどのくらいで救急車が到着すると思いますか?
日本ではその平均時間が 10.3 分と言われております。到着までの時間は都市部と郊外、あとはイベント中などの繁忙期などによっても異なりますが、もし誰か倒れているひとがいたらそこから平均して 10 分もの長い間、その現場でなんとかしないと助かる命も助かりません。
当院のようなクリニックでも救急症例はありえます。小手術のときに投与する局所麻酔薬によるショックや採血の針を見て緊張することで倒れてしまう事例やたまたま起こる待合室での急性心筋梗塞発症など・・・。
日本で 1 年間に突然の心停止が起こる件数は 9 万人以上という報告もありますので、当院では患者さんに急変が起こったときにすぐ対応できるようスタッフ一同訓練に参加しております。
このたび麻酔・救急を専門とする先生をお迎えして 1 時間あまり、診察中に患者さんが突然の心疾患で倒れてしまったという想定で救急対応をシニュレートするワークショップを行いました。
当院は医療施設とはいえ、いわゆる総合病院と異なり、循環・呼吸・脳神経・代謝など、すべての分野に対して万全の対応ができるわけではありません。救急車を呼び、患者さんを少しでも良好な状態に保ち高次医療機関に引き継いでいただくための初期対応を学ぶことを主眼としてみなで学習しました。
ある統計報告によると当院のような規模のクリニックで突然の心停止が起こる確率は 300 年に 1 回だそうです。ただし、医療というのは滅多にないまれな合併症も「ゼロではない」以上、院内での可能な対応は整理・準備しておこうという気持ちを忘れずに、また明日から安全第一で診療を続けていきたいと思います。