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がん薬物治療を行っている患者さんのための薬品会社さんによるサポートの一例

[2024.04.11]

現在、男性がかかるがんで最も多いものは何でしょうか。

その答えは 2015 年(だったと思います)より今までずっと「前立腺がん」です。前立腺がんの患者さんは本当に多く、当院にも多数の患者さんがおられます。

発表されると必ず新聞の一面になる、「がん種別 5 年生存率」をご覧になったことがあるでしょうか。見たことがあることがある方はおわかりと思いますが、前立腺がん全体でみるとその治療成績は良好で、その 5 年生存率は 98.6% となっております。すなわち、前立腺がん、と診断されても 5 年後にこの病気で亡くなる方は 100 名中 1 名しかいない計算となります。

(2019 年 8 月 8 日付 の東京新聞記事より)

しかしながらこの良好な治療成績は、「前立腺がんは転移がなく、がんが限局している症例が多い」ということに起因しており、やはり「はじめから転移しているような進行した症例」の成績は厳しいです。転移している前立腺がんでは、上記のように治療成績は良好ではなく、だいたい 5 年生存率が 40-60% 程度です。

そういった患者さんには「手術や放射線」ではなく、「薬物治療」を行うことになるのですが、現在(これは前立腺がんに限らないのですが)薬物の選択肢は非常に多岐にわたります。

そのなかでアーリーダという薬があるのですが、この薬を服用している患者さんには、アーリーダを販売しているヘルスケア企業による専用のサポートプラグラムがあります。ちょっとした日常生活における疑問点や不安に専任の看護師が答えてくれるというサービスです。

これは素晴らしいアイディアで、こういったシステムがほかの薬などでも利用できるように(院長の私見ですが、がん治療薬を販売している企業はこの不況の中であってもそれなりの利益を上げているという印象があるので)なればと思います。

欲を言えば、サポート期間が 6 ヶ月となっていますがもう少し長くできるとよいと思うのと、アーリーダと同系統の薬(3 つくらいあります)についても企業の垣根を越えて提携し、前立腺がんの薬物治療を受けている患者さんを長くサポートできるようになるとありがたいですね。

かつて、がんは不治の病と考えられてきました。しかし新しい治療がどんどん出現し、確実に治療成績が向上しております。小さなクリニックですが、悪性腫瘍に対する診療に心血を注いできたひとりとして、今後も可能な範囲でがん患者さんに関わっていきたいと思います。

(このブログについて、院長は申告すべき特定の企業との利益相反はありません)

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