少数派が気になる院長
この写真にあるように、よく「医師の◯◯% が推奨!」(◯◯ の数字はたいてい 90% 以上)等と記載されている宣伝広告をみることがあります。院長はこれまでこういったものにモニターとして参加したことは残念ながらありません(このブログでは特に明治プロピオヨーグルトを批判したり宣伝したりしているわけではありません)。
ただ、こういったものを見て例えば「98% のドクターが認めた!」とかあると、広告主が伝えたい内容よりも「・・・なんで残りの 2% は認めないんだろう?」と少数派のほうが気になってしまうのが院長の悪いクセです。・・・これは医学論文を長年読んできたせいなんです。
例えば新しい薬物治療に関する論文を読むときには「これだけ転移病変が縮小しました!」というところはなるほどなるほどと読むのですが、もっと気になるのは「有害事象などのネガティブな情報」です。死亡例がいないか、大きな副作用が起きていないか、生存率の差が実際に何パーセントか、など細かいところをむしろより注意深く読む習慣がついています。
医学をはじめとする科学論文はネガティブなことをしっかりと偽りなく書いてあるか、が重要です。こういったネガティブな面のことを論文では Limitation (「制限」という意味もありますが、ここでは「限界」とか「弱み」、などの意)と言い、 テキストの終盤に必ず記載されています。
明日はわれわれ医療に携わる人間が日々触れる「医学論文」について、自分の経験をもとに書いてみようと思います。