ヒマワリ。漢字で書くと向日葵で、いかにも夏!という感じですね。

漢方薬では「陰陽虚実」という言葉があり、東洋医学では患者さんを診た時に 陰⇔陽・虚⇔実 について、「症状をゼロにする」のではなく、「いいところでバランスを保つ(その点を中庸と呼びます)」という考え方に基づいて方針を決めることがあります。

ヒマワリは見た目通り「陽」の花で、向日葵を「コウジツキ」と読み、その花托を頭痛・腹痛・生理痛に使用される生薬として用いられることもあります。根は腸を潤して便通を改善。茎も体内の水分をさばくという効能があり、葉と花は苦味がありますが胃の諸症状に有効とされています。ただし花には分娩を促す作用があるため、妊婦には使ってはいけません。

夏になるとよく目にする花ですが、昔のひとは植物をみたときに花や葉、茎や根などすべて自然のものは「何らかの薬効があるのではないか」と考えていろいろと調べたのでしょう。そういった先人の試行錯誤に基づく経験と知恵が現在のわれわれの生活に役立っています。

院長も先日研究会で発表した漢方の症例報告を論文化すべく日々過去の文献などにあたっています。ひとつの論文でもそれが今後の医療に役立つことを願って。