ジヒドロジェン・モノオキサイド
タイトルに出したカタカナはなんでしょうか。
ヒントを挙げると
・これは化学物質です
・無職無味無臭です
・この気体は重症熱傷(やけど)の原因になります
・この液体を過剰摂取すると中毒になります
・この固体に皮膚が暴露され続けると重症の凍傷になることがあります
・・・などなどありますが、少し因数分解してみると
ヒドロジェン=水素
オキサイド=酸素 であり、ジが 2、モノが 1 を表すギリシア語ですから
水素が 2 つで酸素が 1 つ、すなわち「水」のことです。
水、といえばなんともありませんが、ジヒドロジェン・モノオキサイド(DHMO)とか言われるとなんとなく怖そうな響きになりますね。
これは Durand Express という雑誌に 1983 年に掲載されたエイプリルフール記事が元になっているそうで、1997 年にアイダホ州の中学生が "How Gullible are we?"(われわれヒトはいかに騙されやすいか?)を調べるのに使用され "DHMO parody" として人口に膾炙(かいしゃ)するようになりました。
地球は「青い惑星」と言われ、表面の 70% が水で覆われていますが、生まれたばかりのヒト新生児は 75% ほどが水分で占められており(成人になると 60% くらいに下がります)、地球環境もヒトの体内環境も 60-70% 以上の水分がその恒常性維持に必要と考えられています。
この「水」。近い将来この水を奪い合って戦争が起こるかもしれないと警告する地球環境学者もいるくらい、われわれヒトにとって重要な成分です。
日本に住んでいるとこのありがたさがなかなかわかりづらいくらい豊富な水資源があるのですが、この水について明日からいくつか医療と関連するようなトピックを紹介したいと思います。
写真は当院と同じ字(あざ)である秦野市戸川にある「竜神の泉」という湧き水です。クリニックから歩くと 45 分くらいかかりますが、そのくらい歩いてからこの水を飲むとより一層美味しく感じられます。できれば毎日散歩したいのですがなかなか時間がとれない・・・。