手術前に全例感染症検査は本当に必要なのか?
院長は来年 1 月にある手術を受けます。・・・心配してくれた方、安心してください。日帰りでの小さな手術です。これまで 4-5 年のあいだ苦しんだ症状がこれで改善されると思うと本当に楽しみです。
ところで、先日術前検査として感染症検査を受けました。そのなかには B 型肝炎・C 型肝炎・HIV・梅毒の検査項目が含まれておりました。幸いすべて陰性(もしくは治療不要)だったのですが、勤務医時代にときどきたとえば梅毒などが「陽性」という結果が返ってくる、ということがありました。
これは非常に患者さんにストレスになります。というのは、どんなに感度(病気をもっているひとを正しく「陽性」と診断する確率)や特異度(病気がないひとを正しく「陰性」と診断する確率)がよくても、検査というものは「偽陽性」があるからです。
たとえば 80 代の女性でいかにも淑女、という感じの方が梅毒の検査(抗体)陽性、となることがありえます。当然その方に全く梅毒にかかるようなエピソードはなく、そういった方に「陽性です」というのはものすごくストレスですし、たいていはこの "検査陽性" は "誤診" です。どんなに優秀な検査でも 1 万回やったら 10 回程度は結果のマチガイというのはありえます。
知り合いのドイツ人泌尿器科医に聞いてみたのですが、EU 諸国ではそういった「ルーティンの感染症検査」はやっていないそうです。
現在、国内ではどの施設でも手術前は全例上記のような感染症検査を行っているので今後もしばらくこういった「偽陽性問題」はしばらく起こると思いますが、「なんでもかんでも」ではなく「テーラーメイド」な医療の方向に行ってほしいと思います。
とりあえず来月手術が無事終わっているように祈念し、明日に備えてゆっくりやすみたいと思います。おやすみなさい\(^o^)/