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追悼・鳥山明先生

[2024.03.10]

院長が小学生の頃、クラスの男子ほぼ全員が水曜日 19:00-19:30 はテレビの前に座っていたはずです。翌日必ずあるアニメについて教室で話をしたからです。それは『ドラゴンボールZ』。

院長も絶対観たいアニメだったのですが、通っていた水泳教室の練習終わりが 18:30、着替えて自宅到着まで 40 分ほどかかるので、いつも 19:13 頃の CM 中に帰って来る、という感じだったのを覚えています。

週刊少年ジャンプを毎週買っていたあの頃、内容は完全にアタマに入っていたのですが、アニメで動く孫悟空をみて改めてそのストーリーの面白さに魅了された『ドラゴンボール』。もう中学生になっていた気もしますが、ベジータとナッパが地球にもうすぐ襲来するぞ、というときはフィクションと分かっていながらも「地球はどうなっちまんだ一体?」と悟空さながらに「わくわくすっぞ」という気持ちでした。

さらにファミコン(プレイステーションではないところに年齢が出ますね)で最も好きなゲームはドラゴンクエストである院長にとって、鳥山明先生の生み出した作品のストーリーやキャラクター、「ぱふぱふ」などのイベント(?)はずっと心に残り続けるマスターピースです。

死因は急性硬膜下血腫と発表されています。これは脳の表面から外側に向かう静脈が損傷されることで、硬膜と呼ばれる脳の最外側にある保護膜の直下に血腫(大きな血マメのようなものです)がたまるという病態です。この場合血腫と同時に脳挫傷や外傷性のクモ膜下出血を併発すれば直後から意識障害などの比較的激しい症状がみられるのですぐに発見されます。しかしそういった病態を合併せずに血腫が大きくなる場合は重症化して致死的になることがあります。鳥山先生のケースがどのようなものであったかわかりませんが、救命できなかったということは脳ヘルニア(ヘルニアは腰やソケイ部のものはあまり命にかかわることはありませんが、脳ではかなり重症の病態です)本当に残念です。

アタマをぶつけたときは受傷後 4-6 時間は必ず、できれば 24 時間くらいは「頭部外傷による重症化がありうる」と考えて注意深く経過をみましょう。さらに受傷したことを家族などにも伝えてひとりで行動しないようにするとよいと思います。

写真は何回も読んだ院長の『ドラゴンボール』コミックス第 15 巻です。子供の頃に結婚を約束した悟空に会うため、強くなって武闘会に出場したチチ、多彩な技でマジュニアに肉薄する地球人最強のクリリン、神様が乗り移ったおじさん・シェンの実力を見た目や雰囲気で見くびってしまったヤムチャ、前回大会よりも圧倒的な実力をつけて天津飯を圧倒する悟空。それぞれの格闘シーンが、漫画という静止画の世界とはとても思えない活写で、すべてのキャラクターが目の前で生きているように動きます。このような素晴らしい漫画を週間という超絶忙しいスケジュールで発表し続け、世界中の子どもたちを今も魅了し続けている鳥山明先生の冥福を心よりお祈り申し上げます。

合掌。

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