メニュー

飲酒ガイドラインが発表されました

[2024.02.28]

酒は百薬の長ー小学生の頃、「ことわざ一覧」という本のなかに入っていたのを覚えています。

しかしながら Lancet(ランセット)という世界最高峰の医学ジャーナルに発表された論文は「アルコールを摂取しないひとが最も長生き(健康被害が少ない)かもしれない」という結果でした(2018 年、下図(PRESIDENT ONLINE より))。

院長は全く飲まないので、上記の結果は好意的に受け止められるのですが、飲酒される方には厳しい結論です。

いくつかの大きな規模で行われた研究を適切に統合した分析(システマティック・レビューと呼ばれます)ではないため、まだまだ議論の余地が残されています。しかしながら個人的にはアルコールという解毒を必要とする成分を(料理のときに使う量よりもはるかに多く)体内に取り込む飲酒という行為は健康的な生活にマイナスなのではないか、と思っております。あくまで私見ですが。

そんななか、つい最近(2024 年 2 月 19 日)厚生労働省から「飲酒ガイドライン」が発表されました(https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001211974.pdf)。このガイドライン冒頭には「本ガイドラインは、アルコール健康障害の発生を防止するため、国民一人ひとりがアルコールに関連する問題への関心と理解を深め、自らの予防に必要な注意を払って不適切な飲酒を減らすために活用されることを目的としています」とあります。

このガイドラインでは、摂取アルコール量を正しく把握するために「純アルコール量」を基準にするよう推奨しています。

純アルコール量は、「純アルコール量(g)=摂取量(mL)×アルコール濃度(度数/100)× 0.8(アルコールの比重)」で表すことができ、カロリーのようにその量を数値化できるます。今後はこの純アルコール量を基準として各人に適した飲酒量をあらかじめ定めておき、健康被害につながらないような飲酒を心掛けることが必要、と述べています。現在、飲料メーカー各社ではアルコール飲料に含まれる純アルコール量の表示をすでに始めています。

「適量なら飲んでよいですよ」。外来で院長がよく患者さんに伝える言葉です。

飲酒が過剰にならないよう、お酒好きな方、是非一度純アルコール量に基づく「適量」を確認しておくとよいと思います。あと、週に 2-3 日は休肝日を設けるようにしてください。

それでは。Cheers!

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME