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塩分摂取量軽減のために国を挙げて取り組む英国の例

[2024.02.29]

日本や韓国をはじめとする東アジアの国は傾向として塩分摂取が多いと言われています。

一方、国を挙げて減塩政策を行い、成功しているのが英国です。英国政府の減塩対策への取り組みについて箇条書きでみていきましょう。

・減塩対策に取り組む前に、まず国民がどの食品からどの程度塩分を摂取しているかの調査を徹底的に行った

・その結果料理で使う塩や調味料よりも、購入した加工品に含まれている塩分量の方が多いことが分かった

・それによって、国民一人ひとりに健康教育を施すよりも、産業界を変える方が効果が高そうと推定された

以上から、どの食品・加工品からどの程度塩分を摂取しているかについて綿密にデータをとり、塩分量が減らすにはどうすればよいか、順位付けしていきました。

その結果、英国民一番食塩を多く摂取していたは何だったと思いますか?

答えはパンでした。欧州なのでパン食が非常にポピュラーで、いわゆる菓子パンや食パンに含まれる塩分が最も日々の線分摂取に影響していました。そこでまずは、大手パンメーカーで結成されている業界団体に、そこに加盟する全てのパンメーカーが減塩に取り組むよう働きかけました。

「塩分を控えましょう」と漠然と減塩活動に取り組むのではなく、きちんと実態を調査するところから初めてどのような政策を講じるかを検討し、その政策が社会をきちんと動かして効果が認められているかどうかとう効果検証を徹底的に行う。この姿勢が功を奏したのです。

データに基づき科学的に行動する、根性論や言霊信仰が根強いわが国では難しいことかもしれませんが、われわれ医療者が積極的にそのような政策試案作成に関わっていくべきと思います。

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