誰にも見えないものを見るんだ。
写真の映画をご存知でしょうか。
大好きな俳優、ロビン・ウィリアムズが主人公の『パッチ・アダムス』です。
自殺未遂を起こした主人公ハンター・アダムスが、自分の判断で精神病院に入院するところから物語が始まります。入院生活のなかで、患者と距離をおいて行う従来の治療より、患者と同じ目線で笑い合って患者を笑顔にするような治療のほうがためになる、と思った主人公はただちに自分の意志で退院、医者を目指すこととします。
そこから本当に医大に入学し、様々な方法で患者を笑顔にさせるべく奮闘する主人公。彼の存在は患者だけでなく病棟で働いている看護師や医大の友人も笑顔にしていきます。
しかしそこに悲劇が。主人公が愛する同級生の女性医学部生が・・・。ネタバレになるのであらすじはこのへんで。
23 年間医師をやってきて診療におけるひとつの “コツ” を挙げるとすれば、「診療に来てよかった、と思わせるために最も必要なことは医者が患者さんを笑顔にすること」です。このことは自分が高校時代にアトピー性皮膚炎を患っていたときに患者として受診した小児科の先生から学んだことです。そこはとても流行っていたのですごく待ちました。しかしいくら待っても、また医療費が高くても、施設の設備が古くても、受付スタッフがこわくても、「医者が自分のことを笑わせてくれたらすべて忘れてそのクリニックにまた受診しようという気になる」ことを経験しました。
当院は受付クラークや看護師は丁寧に対応していると自負しておりますし、築 6 年ほどですし、医療費も適正な保険医療を行っているので高すぎるということはないはずです。診療が混んでお待たせしてしまうことは、残念ながらないことはありませんが、患者さんとなるべく医療だけでなく、その周辺のこと(特に患者さんの人生観や現在大切にしていることなど)も話せるような雰囲気のクリニックでありたいと思っております。よろしくお願いします。
・・・タイトルは冒頭に出てくる、主人公に真理を気づかせる言葉を発したアーサーという入院患者の言葉です。まだこの映画を観ていない方は是非この名作を一度鑑賞してみてください!明日も院長が大好きな、ロビン・ウィリアムズが医師役で出ている映画を紹介いたします。『レナードの朝』です。