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学生時代にピンとこなかった医学部教授の偉大さが卒業後にものすごくわかったというハナシ

[2024.07.12]

先日焼きそばを食べているときに思いっきり舌を噛んでしまい、現在 4 日目になりますがいまだに痛みが引きません。舌や頬の内側を噛んでしまうというのは加齢現象の 1 つとされており、最近その頻度が増えてきた気がするのでガムなどを噛んで咬合に関わる筋を鍛えるように意識しています。

よく時代劇で隠密や刺客が任務途中で敵に捕まってしまい、証拠を残さないために「舌を噛んで死ぬ」シーンがあります。しかし舌は筋組織が非常に豊富で、実際にこれをやるのは相当噛む力が強く、歯が刃物のように鋭くないとかなり難しい。こういった知識は基礎医学を勉強していた医学生時代に「組織学」という、人体のミクロ構造を座学で勉強する講義+その組織を顕微鏡でみながらひたすらスケッチする、という実習で成り立っていた科目を勉強したおかげで今でもアタマの中に残ってくれています。和氣健二郎 教授という非常に見た目が渋い先生が担当されていました。人体組織のスケッチを描かせたら右に出るものはいないほど、全身のミクロ解剖学に精通していらっしゃいました。

和氣先生は EASL(欧州肝臓学会)で EASL Recognition Award という、肝臓の研究に関する優れた研究業績を挙げた科学者に送られる栄誉ある賞を 2017 年に受賞された、世界的にも名前が轟いている先生でした(2017 年の時点でこの賞をうけた初めてのアジア人でした ⇒ https://easl.eu/easl-recognition-award/ で確認できます)。

院長が大学生の頃、母校の東京医科歯科大学はあまり講義の出席についてうるさくなく、出席率は 30-40%(!)くらいであったと記憶しています。ただ、医師になっていろいろな経験を積むと、著名な研究者に囲まれて勉強できた大変ありがたい環境であったことに今更ながら気付かされます。

今はどこの医学部も出席が厳しく、かなり高い出席率と聞いています。大学時代は遊ぶことも重要です。しかし様々な経験を積んだ教官の講義を受けたり実習に参加することは医師人生にとって大きな糧となると想いますので、今の学生にはしっかりと講義を聴いて勉強してもらいたいと老婆心ながら思う今日この頃でした。

写真は大学 5 年生くらいの院長です。生意気そうですね〜。当時若気の至りで相当青臭いことを言っていた記憶があります。

 

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