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ひとつの「タネ」が「花」になった経験を紹介します

[2024.05.03]

昨日のブログで書いたように、「片手でやっている今の手術をなんとか両手でできないか?」と思ってまずはパートナーとなる企業・アカデミア(大学などの研究者)をさがしました。

下記のような会に出て発表することで、医療側のニーズを工学系の方々に知ってもらうのがまず第一、と考えいろいろと動いてみました。

もう 9 年も前のことになりますが、非常に盛会で、たくさんの企業から発表後に声をかけていただきました。

そこから東大工学部・企業と(当時在籍していた)国立がん研究センターとがトリオでチームを組み、

アイディア出す ⇒ ミーティング ⇒ 実験 ⇒ うまくいかない ⇒ アイディア出す・・・(繰り返し) を延々と繰り返しました。

そこで痛感したのが「ひとつのことを(わかりやすく)伝えることはかくも大変なことなのか」ということです。特に医療従事者はいつも自分が行っていることがあまりにも当たり前に感じてしまうため、世間的にいかに独特なことをやっているか、が自分ではわかりづらく、ひとりよがりになりがちです。

そのことがわかり、「患者さんになにかを伝えるときはとにかく簡単に、平易に!」と改めて考えるようになったのはよい経験でした。

そして研究のほうも幸いある程度カタチになり、欧州泌尿器科学会で発表の機会をいただき(コロナ禍中でしたのでリモート学会でしたが)、

国立がん研究センターから がん研有明病院にうつったあともこの仕事を継続し、論文化したものが受理され、2022 年 11 月には栄誉ある日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会で総会賞という素晴らしい成果を挙げることができました。

そして、いまでのこの研究開発は医局の後輩が引き継いでくれています。いつかはこの開発が実を結んで「これまでできなかった手術」が自分のアイディアでできるようになる日を夢見て、現在もこの開発に関わっています。

患者さんの診療だけにとどまらず、このような開発に関わることができたのは自分のまわりにいる素晴らしいひとたちの協力があってこそ。そういった方々への感謝はもちろん、様々な活動の場を与えてくれる医師という仕事にも感謝の気持ちを込めて今後も診療の延長としての研究を続けてまいりたいと思います。

臨床のギモンを研究で突き詰めてこそ臨床医!院長はそのように考えます。

 

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