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大地震発生!災害医療のハナシーその 3: まずは生きるために備えておきたい物品

[2024.02.10]

今回は災害時にあらかじめ備えておくと便利なグッズを医療者の観点から紹介します。

必要なことはまず「生きて」、しばらくの間「生活して」、さらに「可能な限り快適に過ごす」ことかと思いますので当院に用意しているものを箇条書きで書いておきます。一般の家庭においても同様だと思いますので参考にしていただければ幸いです。

 

生きるために必要な物品

  • 飲料水:とにかく水さえあればなんとかなる場合も多いですので備蓄は多めに。1 人 1 日 3 リットルが目安。2リットルペットボトルを常に 4〜5 個は箱買いし、普段は割高に感じますが、ウォーターサーバーも非常時も兼ねて使用しています。
  • 食料: かつては乾パンやビスケット、商品名ならカロリーメイトなどが非常食とされていましたが、これらはどうしても水分が必要になりますし、糖質に栄養が偏ります。現在はそういった「乾き物」はカバンやクルマにいれておく用にし、やはりきちんと炭水化物やタンパク質、ビタミンやミネラルを摂取できるようにしたほうがよいでしょう。具体的には農林水産省が出している「災害時に備えた食品ストックガイド」(https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/foodstock/attach/pdf/guidebook-3.pdf)を参照してみてください。
  • 簡易トイレ:よく言われる目安として、「人数 x 35 個」が必要と言われます。なかなか大変だと思いますが、特に都市部の夏場などはトイレがかなり大きな衛生的な問題になりますので多めに用意しましょう。
  • アルミブランケットやカイロなど(電気不要の)防寒グッズ: アルミブランケットはクルマにいれておいても平べったいのでかさばりませんし、寝袋も小さくまとめられるものがあります。こういった「電気不要」の防寒グッズを備えておきましょう。個人的には足元を温めることが体温維持に効率が良いので桐灰化学さん(小林製薬に吸収合併されました)が販売している「靴底に敷くカイロ」はおすすめです。
  • 底がしっかり厚くて硬い靴:特に地震のときにはまず玄関に行くまでに割れたガラスで怪我をする、というケースが比較的多く起こるといわれております。できれば室内でもしっかりした履物をいつも使用し、玄関まで無事にたどり着いたらトレッキングシューズのような足を覆う部分がしっかりした靴を履きましょう。
  • メガネやコンタクトレンズ:院長のような近眼の者に、これは非常に重要です。災害時にメガネが壊れてひとつしか持っていない場合、かなり困った状況になります。コンタクトレンズやスペアのメガネを常に携帯しておくとよいでしょう。特に寝る前にメガネを必ずケースに入れておく習慣をつけると万が一寝室のものが倒れてきても大丈夫です。院長もなかなかできないのですが。。。
  • ライト・ろうそく・ランタンなどの照明器具:暗闇は人間の判断力を狂わせ、不安感を増幅します。特にお子さんのいる家庭で停電した場合、暗さになれない子供は泣き叫んでしまい、興奮状態を来して身体硬直などの精神症状が出現する事例も報告されています。首からかけられる LED ライトや電池で使用できるランタンなどを常備するようにしましょう。
  • ホイッスルや防犯ブザー:映画『タイタニック』でローズの命が助かったのはこのおかげでした。災害救助隊や近所の方に自分を見つけてもらうのに最も効果的なのが「音」によるサインと言われております。スマホケースにストラップでつけておいたり、カバンに結びつけておくなど、日頃から目の届くところにあると安心です。
  • 常備薬 10〜14 日分:今回の能登半島地震でも、医薬品の供給などには少なくとも 7 日程度の時間がかかります。高血圧や糖尿病などの生活習慣病薬はもちろん、抗凝固薬や抗精神病薬に抗がん剤など、必要なお薬はいろいろな種類があります。是非ご自身で必要な薬は 2 週間程度の余裕を持っておくようにしましょう(麻薬はなかなか法律上難しいところもあるのですが)。

明日は生き延びたあと、「生活する」のに必要な物品について記載してみたいと思います。

備えあれば憂いなし!

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