日本の医療ドラマでいっつも気になってしまうこと
院長妻はすごく掃除や整理整頓がうまいヒトで、家具も既製品に一手間加えてオリジナルのものを作って使いやすくするなど家事全般についてのエキスパートです。彼女によると「掃除には 2 種類。小さな掃除と大きな掃除がある。小さな掃除とはいつもの掃き掃除や掃除機によるもの。大きな掃除とは "部屋のレイアウトをときどき変えること"で完了できる、家具の裏にホコリなどがたまらないようにすること」で、確かに年に数回大きなモノ(ソファとかダイニングテーブルとか)を動かすとホコリが過度にたまることがなくなりますから理にかなった考え方です。そんな妻が「テレビがあるとリビングのレイアウトが決まってしまうのと、"大きな掃除" ができなくなる」結婚して早々に言ってくれたおかげで我が家では長い間テレビというものを全く置かずに 20 年近く過ごしてきました。
しかしながら開業して待合室にテレビを置いたおかげで(ネット中心になっていく世の中と逆行しますが)随分長いこと観ていなかった反動もあり、ときどきテレビを観るようになりました。そのなかで最近観たのが『まどか 26 歳、研修医やってます!』という TBS 毎週火曜日のドラマです。
これまでの医療ドラマよりリアルになっている部分もあり、まあ「ドラマだよね・・・」と思うところもありですが、「研修医が一生懸命患者さんの診療や仕事に打ち込む姿」については 24 年前の自分を久しぶりに観ているようで微笑ましくもあり(当時は「研修医」という身分はなかったのですが)、今後の展開に期待したいと思います。
ただそのなかでどうしても気になるところをひとつだけ。登場人物の多くが長尺の白衣を、前をはだけたまま来て病院内を闊歩するところです。これはいただけません。前がヒラヒラしているとドアの取っ手とか診療に使う機器のレバーとか思わぬところで引っかかることもありますし、「清潔 vs. 不潔」の区別をしっかりつけなければいけない患者さんの術後処置中などに医学的には「不潔」と判断すべき白衣の布が患者さんのキズに付着するおそれもあります。こんなブログで吠えてもしょうがないのですが、現在視聴中の医学生・研修医のためにも是非前だけはしっかりとボタン・ジッパーで閉じて頂きたいと思いました。
・・・医療ドラマをみるとどうしても小言ばかりになってしまうのがわれわれ医者のよくないところです。内容自体は面白いので今後も時間の許す限りフォローしていきたいと思います。まどかが最終的に泌尿器科に進路を決めることを祈念して!・・・今のところ残念ながらそんな雰囲気は微塵もありませんがね。