院長が受けた第 95 回医師国家試験を 23 年後のいま振り返る
院長は 2001 年に医師となりましたが、医師を名乗るには下記の条件を満たしたうえで医師免許証を取得しなければいけません。
医師国家試験は「医師法第十一条・第十二条の規定に基づく受験資格を有する者」しか受けられません。
- 医科大学・医学部を正規の課程(6 年間すべての科目を履修して単位取得)を修了している
- 外国の医学校を卒業し、又は外国で医師免許を得た者(かつ厚生労働省が学力・技能を認める者)
である必要があります。最近 2. のパターンとしてハンガリーなど東欧諸国の医学部に進学して卒業する学生が少し増えつつあるそうです。
2001 年、第 95 回の試験はそれまで 2 日間であったのが 3 日間となり、なおかつ問題数が 350 問(←うろ覚え。400 だったか?)くらいだったのが一気に 550 問になるなど、大きな変化の年でした。23 年前の試験をいまいちど 3 問だけ振り返ってみます。皆様もぜひチャレンジしてみてください。
E-4 医療事故について正しいのはどれか。
a 医療システムを見直しても減少しない。
b 患者との関係が良好なら起こらない。
c 異なる病院での前例は予防に役立たない。
d 医療行為を複数の医療者が確認することで減少する。
e 医療への国民の信頼を維持するために情報を開示しない。
a の医療システムは見直すことで減少につなげられるのでバツ、b の患者との関係が良好でも「事故」は起こります(劇薬を誤って患者の皮膚に落としてしまう、なども事故なので)からバツ。c は前例を勉強することで予防に役立つのでバツ、e の「情報開示」は国民に対する信頼の基本なのでバツ、よって正解は d です。医師国家試験といっても意外と簡単な問題もあると思うかもしれませんね。
E-42 がん患者のターミナルケアで正しいのはどれか。
a 疼痛は精神面に影響しない。
b 患者に治療内容を伏せておく。
c 家族に治療内容を伏せておく。
d 治療の内容を薬物に限定する。
e 麻薬は十分量使用する。
・・・この問題はいかがでしょう。「ターミナルケア」とは終末期医療のことで、身体的・精神的苦痛を除去しつつ生活の質維持・向上を目的とした処置のことです。
a ですが、精神的に不安定ですと疼痛は強くなるのでバツ。患者やその家族に治療内容は伏せず、しっかり内容を伝えてインフォームド・コンセントをとることが重要ですので b と c はバツ。d ですが、疼痛があるときは薬物だけではなく放射線治療による骨転移病変治療をしたり、ときに疼痛緩和目的の手術をしたりもするのでバツ。すなわち正解は e となります。ターミナルケアにおける麻薬使用量、日本は先進国でかなり少ないといわれており、しっかりと十分量の麻薬を投与し、疼痛緩和をはかることが求められます。正解できたでしょうか?
E-49 我が国の喫煙について誤っているのはどれか。
a 喫煙率は高齢者で高い。
b 喫煙者では胃潰瘍の発症率が高い。
c 飲酒者の喫煙率が高い。
d 10 歳代の喫煙者が増加している。
e 禁煙支援として禁煙補助薬が有効である。
2001 年時点の情報ですので、現在は正解(誤っているもの)が 2 つあるように思います。
喫煙率は 30-60 代で高いので a がバツ。あとは現在 10 歳代の喫煙率は特に高校生で下がってきているので d もバツと思います(2001 年当時はこれが正しかったようです)。一応厚生労働省の正解は a になっていますが、おそらく現在は a, d ですね。
・・・いかがでしょうか。医師国家試験はいろいろなテストのなかで難関のほうに数えられますが、意外とこういった素直な問題もあります。こういった問題にしっかり正解して(決して 100 点満点を取らないと合格できない試験ではないので)ほかのやや難しい画像や病態生理の問題に取り組むことが重要だなぁと久しぶりに感じました。
現在医学部 6 年生、あと昨年国家試験に合格できなかったひと、来年 2 月の国家試験頑張ってください! われわれ医療者は皆様を心より歓迎します\(^o^)/
今年の 3 月 21 日ブログでも掲載しましたが、院長の得点を公開してこの稿を終了します。