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ひな壇に飾られる菱餅に含まれる生薬でお腹が痛くなることもあるというハナシ。

[2025.03.03]

3 月 3 日。桃の節句です。雛祭りとして有名ですね。これはもともと中国古来の風習で、3 月初めの巳の日に、水で身体を清める禊(みそぎ)をして厄災を祓う行事でした。ちなみに「巳の日(みのひ)」とは、財運の神様である弁財天の使いである白蛇(=巳)にあたる十二支の日なので金運財運の願いがかなう吉日とされています。2025 年 3 月初めの巳の日は 2 日前の 1 日で、古来中国の風習を厳密に考えれば今年の「ひな祭りの日」は 3 月 1 日ということになりますが、これは旧暦との違いもあるため近年は毎年 3 月 3 日に行われています。

桃の節句(雛祭りの日)が国民全体に最も浸透しているのは日本だそうです。もしかすると上記の「禊」が悪い物事を「水に流す」文化がある日本だからこそ深く根付いたのかもしれません。

さて、ひな人形の前に飾られている菱餅、緑・白・桃(赤)とありますが、この 3 色が用いられるようになったのは明治以降で、それまでは上下が緑、真ん中が白だったそうです。この「緑」は邪気を祓うと考えられたヨモギ餅を、「白」は菱の実が入った餅を食べてその色を表したそうです。しかしながら明治時代には山梔子(サンシシ。くちなし)が入った桃色の餅が加わり 3 色になったそうです(このあたりはだいぶ諸説あり、民俗学者によっても意見が分かれるそうですが)。

この山梔子。漢方の生薬として非常によく用いられ、長期に使用されると有名な副作用である "腸間膜静脈硬化症" という、下痢などの腹部症状が出現して特徴的な大腸内視鏡所見を呈する疾患を引き起こすことがある生薬で、特に女性で多く処方されている加味逍遙散(ツムラさんですと 24 番の漢方薬)を長期に内服している方でみられることがあります。どんなによい "クスリ" でも逆から読むと "リスク" になります。注意して経過をみていく必要がありますので漢方を市販薬で入手されている方は気をつけましょう。心配なときは医師や薬剤師に相談を。

10 日くらい前から当院受付に飾られているミニひな人形です。既成のものに師長がひな壇をつけてくれました。かわいい。

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