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3 月になると思い出すこと。ちょっぴり閲覧注意です。

[2025.03.04]

*今回のブログは少しデリケートなハナシで、嫌な過去を思い出してしまう方もいるかもしれません。いわゆる「いじめ」やそれにつながるような経験を持つ方は読まないほうが良いかもしれない、ということをあらかじめ記しておきます*

 

昨年東京の中高一貫校で薬物依存の講演をしました。院長の専門ではないものの、開業していると若い患者さんで精神的に生きづらさを感じておられる方を一番はじめに診療する立場になることがありますので開業が決まってからプライマリ・ケア連合学会や日本医師会の e-ラーニングや非精神科医向けの講演や論文を勉強することで「まず最初にどう対応するべきか」についてはある程度身についているではないかと自負しております。そういった知識・経験に基づき講演したのですが、大変熱心に中高生が聴講してくれました。ありがたいですね。

そのなかで「日本の若年者(15〜34 歳)の全死因のうち、自ら命を絶たれた方が含まれる比率が 16-17% で G7 加盟国のなかでは最高」というデータを紹介しました。院長のようにアラフィフになると 15 歳の頃について、あまり鮮明には記憶がないのですが「中学校である日突然ハブられ、3 週間にわたってそれまで普通に話していた連中から突然シカトされ続ける」という経験をしたことは今でも忘れられません。そのシカトが始まったのが 3 月 1 日でした。

もう大人になった今の知識や経験があれば「そういった子供じみたことをする特定の輩(やから)のことをこちらも全く気にせず生きていく」ことも可能です。しかし当時は中学の狭いクラス、さらに狭いグループのなかでの出来事なので人並みに落ち込むこともありました。

幸い勉強ができて部活では剣道がそこそこ強かったので「成績と部活でアイツ(首謀者はわかっていました。ある部活の補欠だったはずです。彼は次から次へとターゲットをかえて、自分に逆らえない数人の子分みたいな奴と共謀して無視する、というおかしな趣味(?)を持っている人間でした)より全然上」と自信を持っていられることができたので、自尊心は失わずにすみました。

・・・ただその 3 週間はなかなかにしんどかったですね。それまで 4-6 人でグループ作って食べていたランチタイムが突然ひとり。体育の授業でも突然バスケットボールのパスが回らなくなり、カバンのなかに謎のゴミが入れられる・・・。一緒に自分を排除していたクラスメイトも「自分がシカトのターゲットになったら困る」という消極的な理由で自分と一緒に食べられなくなっていることは痛いほどわかりますので彼らを非難することはできません。

ただ、あのとき「絶対勉強して(当時は学区というものがあり、学区外に行くにはそれなりに高い成績が要求されました)アイツが絶対行けない湘南高校に受かってやる」とひとり燃えるような気持ちが芽生えたことだけはよく覚えています。また、そんななかでも話しかけてくれた何人ものトモダチ。涙が出るほど嬉しかったです。まさに "A friend in need is a friend indeed."(まさかの友こそ真の友、とでもいいましょうか)という感じで、今でも会ったらお礼を言いたい。ありがとう。

それら一連の無視期間が 3 週間経過したときに突然終わりましたが、もしこのときもう少しひどいことをされていたら。肉体的・精神的にひどく傷つけられ、勉強も部活も手につかないほど追い詰められたら。自らの命を終わらせる、という選択をしないとも限りません。なんせまだ 15 歳くらいの子どもですから。

悪いことがニュースになるのでいいこともたくさんあると思うのですが、これまでにみたニュースのなかで、LINE により特定のひとを排除したり同じ学校の生徒に着替え等を盗撮されるなど、SNS やデジタルガジェットの発達で今の中高生は大変生きづらいようなことも多くなってきたように感じます。学生時代は狭い世界が世の中の全てと思い込んでしまうものですが、「世界は広い!あなたを必要とするひとは世の中にたくさんいる!」ということをしっかりと理解させられる大人が身近にいてほしい、と下のこどもが最近高校を卒業して子育てに一段落ついた院長は思いました。

そして政治家の皆さんには若者にとって「楽しい日本」(ネーミングはどうかと思うが・・・)になるように全力を尽くしてもらいたいですね。

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