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漢方をはじめとする東洋医学が泌尿器科領域でより広まるためには

[2024.06.24]

昨日まで泌尿器科漢方研究会に出席して思ったことです。

  1. 演題として出ているものが 慢性的な尿路感染症、慢性前立腺炎/骨盤痛症候群、化学療法にともなう末梢神経障害・体調不良、LOH 症候群(加齢による男性の性機能低下)や血管障害(慢性腎臓病)など、泌尿器科における華やかな分野(がん薬物治療、排尿障害手術、ロボット支援手術など)から外れた少しマイナーな分野が多い
  2. 泌尿器科疾患としてのエビデンス(診療の根拠となるような客観的なデータ)が乏しい
  3. 泌尿器科医で漢方医、という存在がそもそも少ない

1. についてはこれでよいように思います。高血圧や糖尿病を漢方で治そう!と思ってもなかなか難しいのと一緒で漢方はある意味「スキマ医療の穴埋め」に使っていくのが効率よい活用法でしょう。

2. について。これが最も大きな問題で、漢方医学はその中で内科とか皮膚科とか泌尿器科とか分かれていません。異病同治(西洋医学的には異なった疾患を同一の漢方薬で治療すること。漢方薬を使っていると結構よくあります)が漢方の特徴ですからなかなか泌尿器科疾患だけのエビデンスを構築する、というのが難しい。

3. 2. の原因として、内科医・外科医から漢方医、とか産婦人科医から漢方医、耳鼻咽喉科医から漢方医、という先生は比較的多くいらっしゃるのですが、泌尿器科から漢方医、という先生が少ないように感じます(そういう統計データをみたわけではないのであくまで印象ですが)。選挙もそうですが、「数は力」。まずは今回のような研究会で仲間を増やし、海外の先生方にも注目されるようなエビデンスを構築することがまず重要かと思います。どうしてもわが国は海外で成功しないと国内でなかなか認められない(自国のモノの良さをなかなか日本人は分かってくれない)という傾向があるようですので。

まずはいつもお世話になっている東海大学の東洋医学講座の先生方と相談させていただこうと思います。あと、今回の演題はどこかの雑誌に症例報告論文としてアプライしようと思います。なかなか泌尿器科の雑誌には載せてくれないかもしれませんが・・・。

参加して本当にためになった漢方講座。講師の先生方いずれも素晴らしい漢方医でした\(^o^)/

 

 

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